モスバーガーは1972年創業。日本発のファストフード ハンバーガーチェーンとして,テリヤキバーガーや,モスライスバーガーなど,日本の食文化にこだわった商品提供が行われてきています。
ファストフードはともすれば,健康づくりや栄養バランスの点から課題の多い食物とされ,そうした関連を示す先行研究もあります。しかし,ファストフードでも,ハンバーガーでも,組み合わせ次第で栄養バランスがとれる,ということを実現した商品がモスバーガーの「バランスセット」です。スマートミールの第1回認証で★2つの認証を得て,国内10数店舗で販売されています。今回は,東京都世田谷区にある梅ヶ丘駅前店で,「バランスセット」開発時から関わられている寺本さんと大久保さんにお話を伺いました。
モスバーガーは1972年創業。日本発のファストフード ハンバーガーチェーンとして,テリヤキバーガーや,モスライスバーガーなど,日本の食文化にこだわった商品提供が行われてきています。
ファストフードはともすれば,健康づくりや栄養バランスの点から課題の多い食物とされ,そうした関連を示す先行研究もあります。しかし,ファストフードでも,ハンバーガーでも,組み合わせ次第で栄養バランスがとれる,ということを実現した商品がモスバーガーの「バランスセット」です。スマートミールの第1回認証で★2つの認証を得て,国内10数店舗で販売されています。今回は,東京都世田谷区にある梅ヶ丘駅前店で,「バランスセット」開発時から関わられている寺本さんと大久保さんにお話を伺いました。
━━━ 今日はお時間いただき,ありがとうございます。早速ですが,現在のスマートミールの販売状況はいかがですか?
- 現在,販売実績の報告があがってくる店舗は12-13店舗ですが,「バランスセット」の注文は3日に1食程度です。スマートミールのことを知っていて,というより「セットだったらいいね」という感じで,さらに908円+税という価格をあまり気にされない方が選ばれるようです。男女を問わず40~50歳代の方が中心です。意外に東京23区内より,周辺の郊外店で注文があるようです。お客さまからの反応はとくに聞こえて来ないです。
- 認証当初は,モチベーションも高く,気合を入れて取組みを始めましたが,今では,店頭での告知は,十分とは言えなくなっています。それでも,全体で月間100食程度出ていることは,考えようによればスゴイことだと思っています。
━━━ この認証を受けてよかったこと,メリットがありますか。それは,何でしょうか?
- 一番よかったことは,「従業員の意識」の部分です。創業時から,お客さまの健康に少しでも寄与したいと考え,野菜などの素材にこだわるなど,様々な取組みをしてきました。その点で,企業として,健康日本21という国の健康づくり施策に沿った取組みを自分たちもやっている,お客さまに対して社会的責任を果たしているという意識につながっています。
- 一方で難しさは,店頭でスマートミールの告知が十分やれていないこと。キャンペーンが始まると,チェーン全体の施策のため,当然そちらが優先される。食数が出ないスマートミールの告知ツールは,どんどん目につきづらくなってしまう店舗もあります。
━━━ 認証前後で売り上げの変化はとくにない,ということでしたが,経営面からみてマイナスの要素は何でしょうか?
- 食品ロスです。デザートの白玉あずきはバランスセット専用なので,食数が出なければ,どうしても食品ロスが増える。現在,社会として食品ロス削減が重視されている中,この点が一番の課題です。

モスのスマートミール
「バランスセット」
モスバーガーのミートソースのおいしさはそのままに,スマートミールのために,減塩したミートソースを開発したそうです。
スマートミールを提供している店舗では,すべてのモスバーガーが,減塩タイプのミートソースになっているそうです。しかし,お客さまは気づいておらず,味が薄いとかおいしくない,という声はまったくないそうです。つまり“こっそり減塩“が出来ているということ。サラダのドレッシングも,削り鰹や昆布の旨味を効かせた減塩タイプの和風ドレッシングが使われています。
バランスセットをいただきましたが,確かに,味が薄いという感じはまったくなく,トマトの味がおいしく,白玉あずきも,最後に甘いものが食べたい人にはうれしいセットで,全体として,554 kcalのとても満足できる内容でした。
― 今後取組みを続ける上での課題は?
- お客さまにとって,大事なのは何より見た目で,「おいしそう, 食べたい」と思ってもらえること。現在使っているスマートミールの告知ツールは,(認証を得るために)入れないとならない情報量が多すぎる。もっとシンプルにできないものかと思います。
- また,商品のスペック(仕様書)は少しずつ変わっていきます。実際,認証後にバンズ(パン)が変更になっています。今後,他の食材をリニューアルする可能性もあります。そうした変化が生じる中で今後も栄養面で基準を満たしていけるのか,が心配といえば心配です。
- また,白玉あずきをつけずに,モスバーガーとサラダのセットであれば,かなりの数量が出ています。PFCバランスでは基準に合いませんが,食塩相当量と野菜等の量はしっかり守れている,そうしたメニューを「準スマートミール」として扱うことができたら,もっとこの取組みも拡がると思います。
━ 今日はお時間いただき,ありがとうございます。早速ですが,現在のスマートミールの販売状況はいかがですか?
- 現在,販売実績の報告があがってくる店舗は12-13店舗ですが,「バランスセット」の注文は3日に1食程度です。スマートミールのことを知っていて,というより「セットだったらいいね」という感じで,さらに908円+税という価格をあまり気にされない方が選ばれるようです。男女を問わず40~50歳代の方が中心です。意外に東京23区内より,周辺の郊外店で注文があるようです。お客さまからの反応はとくに聞こえて来ないです。
- 認証当初は,モチベーションも高く,気合を入れて取組みを始めましたが,今では,店頭での告知は,十分とは言えなくなっています。それでも,全体で月間100食程度出ていることは,考えようによればスゴイことだと思っています。
- 一番よかったことは,「従業員の意識」の部分です。創業時から,お客さまの健康に少しでも寄与したいと考え,野菜などの素材にこだわるなど,様々な取組みをしてきました。その点で,企業として,健康日本21という国の健康づくり施策に沿った取組みを自分たちもやっている,お客さまに対して社会的責任を果たしているという意識につながっています。
- 一方で難しさは,店頭でスマートミールの告知が十分やれていないこと。キャンペーンが始まると,チェーン全体の施策のため,当然そちらが優先される。食数が出ないスマートミールの告知ツールは,どんどん目につきづらくなってしまう店舗もあります。
━ 認証前後で売り上げの変化はとくにない,ということでしたが,経営面からみてマイナスの要素は何でしょうか?
- 食品ロスです。デザートの白玉あずきはバランスセット専用なので,食数が出なければ,どうしても食品ロスが増える。現在,社会として食品ロス削減が重視されている中,この点が一番の課題です。

モスのスマートミール
「バランスセット」
スマートミールの基準の1つであるPFCバランスをとるために,白玉あずきのデザートが追加されています。
モスバーガーのミートソースのおいしさはそのままに,スマートミールのために,減塩したミートソースを開発したそうです。
スマートミールを提供している店舗では,すべてのモスバーガーが,減塩タイプのミートソースになっているそうです。しかし,お客さまは気づいておらず,味が薄いとかおいしくない,という声はまったくないそうです。つまり“こっそり減塩“が出来ているということ。サラダのドレッシングも,削り鰹や昆布の旨味を効かせた減塩タイプの和風ドレッシングが使われています。
バランスセットをいただきましたが,確かに,味が薄いという感じはまったくなく,トマトの味がおいしく,白玉あずきも,最後に甘いものが食べたい人にはうれしいセットで,全体として,554 kcalのとても満足できる内容でした。
― 今後取組みを続ける上での課題は?
- お客さまにとって,大事なのは何より見た目で,「おいしそう, 食べたい」と思ってもらえること。現在使っているスマートミールの告知ツールは,(認証を得るために)入れないとならない情報量が多すぎる。もっとシンプルにできないものかと思います。
- また,商品のスペック(仕様書)は少しずつ変わっていきます。実際,認証後にバンズ(パン)が変更になっています。今後,他の食材をリニューアルする可能性もあります。そうした変化が生じる中で今後も栄養面で基準を満たしていけるのか,が心配といえば心配です。
- また,白玉あずきをつけずに,モスバーガーとサラダのセットであれば,かなりの数量が出ています。PFCバランスでは基準に合いませんが,食塩相当量と野菜等の量はしっかり守れている,そうしたメニューを「準スマートミール」として扱うことができたら,もっとこの取組みも拡がると思います。
お二人のインタビューから,ファストフードで初めてスマートミールの認証に挑戦され継続してくださっている背景に,「食を通じて人を幸せにする」という経営ビジョンの下,商品のおいしさにこだわりながら,お客さまの健康への貢献を,という社員の皆さまの自負があると感じました。
こうした事業者の”本気“に答えるためにも,インタビューの中で示された,店舗でのスマートミールに関する情報提供のあり方や,“準スマートミール“についても,今後の検討課題としていきたいと思います。
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