うちの社食のスマートミール!ご紹介2 

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「薬に頼らない製薬会社になりたい!」を掲げ、
社食をとおして社員の健康課題改善に挑戦!!
ロート製薬大阪本社

大阪府大阪市生野区巽西1-8-1
回認証( 20248月)給食部門 ★★★

「薬に頼らない製薬会社になりたい!」を掲げ、
社食をとおして社員の健康課題改善に挑戦!!

ロート製薬大阪本社

大阪府大阪市生野区巽西1-8-1
回認証( 20248月)給食部門 ★★★

 今回は、第8回認証(20248月)で★★★星三つを見事受賞されたロート製薬大阪本社の人事総務部竹野敦子さんにお話をお聞きしました。


 
―――  それでは、最初に会社概要についてお聞かせください。

社屋全景

3分でわかるロート製薬 | IR情報 | ロート製薬株式会社 (rohto.co.jp)にて、ご紹介させていただきます。
 「 1899年創業、胃腸薬の発売に始まり、 1909年に社名の由来ともなった「ロート目薬」を発売。 1975年にメンソレータムブランドの取得により第三の柱スキンケア領域へと進出。
1988年米国メンソレータム社を買収し、世界の 100ヵ国以上の国々に広がるネットワークを獲得し、これをプラットフォームにアジアを中心にグローバル展開を推進。
胃腸薬、目薬、皮膚用薬に加えて、化粧品事業へ進出。医薬品メーカーならではの効果のある化粧品として「オバジ」「ハダラボ」など機能性化粧品市場を創出。
胃病が増えたので胃腸薬、目の病気が流行ったので目薬、それらの技術を応用してスキンケア、というように、健康に関する社会のニーズに、技術力で、いち早く応えてきた。そして、現在は「健康寿命の延伸」をめざし、再生医療事業や、食に関わる事業に注力している。
 
—――  早速ですが、スマートミールの認証を受けようとしたきっかけは、なんですか?
 当社は、かねてから健康経営に取り組んでおりましたが、私が、社内のダブルジョブ制度をとおして、健康経営チームと人事総務部食堂担当を兼務したことで「健康な食事・食環境認証制度」があることを知ったこともきっかけと言えるかもしれません。
 ロート製薬は、製薬会社ではありますがやや自虐的にも取れる「薬に頼らない製薬会社になりたい」というスローガンを 2016年に掲げました。これを実践するために、今まで以上に食や暮らしを大切に考えるようになりました。具体的には、奈良の宇陀にて有機野菜の栽培、石垣島では循環型の 1次産業に取り組んでいます。生産された野菜や肉を社食で使用するほか、不定期で食堂にて即売会も行っています。
 こうした社内風土もあるので、食堂担当になったのを機に食の価値、社食の付加価値をもっと見える化したいと考えるようになりました。
 
―――  会社理念に後押しされてのチャレンジが始まったのですね。
 そうですね。今から 4年ほど前になります。まずは良い環境から良い食事を作って頂くために、調理場の総点検を行いました。利用者の真のニーズを拾うために、社員へのアンケートや座談会を開いてきました。社食へのソフト、ハード両面の改善が必要であることがわかりました。アンケートの要望に応えることで社食への関心と理解を深めました。
 食器、什器を新しくし、メニュー構成やメニュー内容も食堂事業者さんと話し合い、改善しました。かなりの投資もありましたが食堂の精算システムも社員カードで行い、かつ食事(栄養)摂取状況も把握できるシステムを導入しました。
 
―――  それは素晴らしいですね。もしかすると国内ではまれに見るシステムかと思いますが、、、
 そうかもしれないですね。当社は製薬会社なので何事もデータとエビデンスが大事だという価値観があります。社食を通して健康管理をしたいと思ったときに、このシステムは必須だと思いました。まだ道半ばですが、今後活用していく予定です。また、フードロスの観点から、勤怠の打刻データから、毎朝 930時点の出勤者数を 3拠点の食堂調理場へメールを自動送信しています。本社のシダックス様はその日の生産食数管理の参考となりますので、当日調理が可能な白米の炊飯量などの調整に貢献しています。
 
―――  多方面にわたる食堂改革と同時にスマートミール認証も同時進行されたのですね。 
 はい、シダックスさんとの連携はもとより、社員への説明もできるだけ丁寧に行っています。最近では、ロートアカデミー(社内研修制度)の 1教材として「スマートミール」の動画をアップしました。
 
―――  シダックスさんには、どのようなお願いをされたのですか?
 まずは、当社が考える社食の位置づけ(憩いの場=リフレッシュ、コミュニケ―ション、情報共有)と役割(健康維持増進となる食事の提供と日常の食事モデルとなる“食育”につながる献立構成の提案)を担っていただきたいこと、そして新たにチャレンジする「健康な食事・食環境」認証制度についての理解を深めていただくことをお願いしました。
 その上で社員に「食べたい、美味しそう」「消去法で選ぶのではなく食べたいから選ぶ料理」をお願いしました。「人気メニュー」や「見た目に彩豊かにする工夫」「貧相にならないように」なども配慮していただきました。
 
―――  大変重要な使命を担っていただいていますね。
 はい、お陰様で最近は社員からのネガティブな意見はほとんどなくなりました。三者(会社、社員、給食事業者)も良い関係性ができていると感じています。
 
―――  ところで認証を受けたスマートミールの実際のメニュー内容について教えてください。
 

販売メニューの案内スタンド

当社は、女性比率が 60%程度です。こうした背景もあり健康課題として貧血対策が挙げられます。健康経営 KPIとして貧血者、メタボ者の低減を掲げています。この目標達成に向けての施策として、スマートミールの活用とあわせて鉄分もしっかり取れるメニュー(鉄ちゃんとランチ)も提供できるラインナップにしました。スマートミールは、「いいことランチ」と命名(「しっかり」のランク)し、認証されました。
 
―――  スマートミールの利用状況は、いかがですか?
 一日平均 380400人が食堂を利用します。そのうち約 150人( 3540%)がスマートミールを食べます。
 
―――  スマートミールの人気ランキング上位は、どんなメニューですか?
 
1位 ハンバーグ   2位 とんかつ   3位 サーモンフライ   4位 竜田揚げ   5位 鶏肉料理(もも肉枚の形状で提供)

チキン和風ステーキ

 
――― スマートミールの導入以前と以後を比較して、社食に変化したことはありますか?
 食堂に対するネガティブな意見が少なくなったこととあわせて、食事バランスに重きを置いて食堂運営がされていることの理解が深まったように感じます。
 
――― 今後の展開計画についてお聞かせください。
 健康KPIに沿ったメニュー提供で健康課題解決を進めたいです。その進捗を製薬会社らしく数値化してエビデンスを作っていきたいという希望があります。
 そのためにも社員のヘルスリテラシー向上と、SDGsの実践を進めていきたいと思います。さらに、グループ企業との協業(食材、商品の)も活発化していきたいと思います。
 
――― 大変充実した取り組みについてのお話、本当にありがとうございました。
 
 


取材後期 

 健康づくりには食が重要と考える会社と、その意義をしっかり受け止め、仕事の役割の中で熱い思いを抱きつつも、ロジカルに社員や会社、委託先を見事に巻き込むバイタリティーに溢れた竹野さんの存在は、この認証において大きな役割を果たされたのではないかと感じました。
お疲れ様でした。そしておめでとうございました。


(2025 年2 月5 日 インタビュアー 狩野恵美子)