全社一丸・産学連携で「つくメシ」喫食率アップ!!
株式会社クボタ筑波工場(第1工場・第2工場)
今回は、第6回認証(2022年8月)で見事★★★星三つを認証されたクボタ筑波工場のご紹介です。

クボタ筑波工場外観
筑波工場では、 1975年にトラクタと産業用エンジンの生産拠点のひとつとして設立され、主に 22~ 105馬力クラスのトラクタと産業用エンジンの生産を中心に行っています。
また、海外需要の高い製品群を生産しており、製品の海外売上比率は約 80%となっています。

第一工場食堂
これからも「お客様に信頼され、愛される製品(商品)づくり」、「従業員が安全で安心して働くことが出来る職場づくり」の2つのスローガンを実現すべく、日々取り組んでいきます。詳しくは、公式サイトをご覧ください。
―――本日は、スマートミール認証取得に関わった4 名の皆様にお集まりいただきましたが、最初に所属とお名前をお聞かせいただけますでしょうか?
勤労課食堂担当の増原です。健康管理室看護師の成川です。同じく健康管理室産業保健師の青栁です。給食受託会社(株式会社グリーンハウス)管理栄養士の松野です。

「つくメシ」(スマートミール)推進メンバーの皆様
左から勤労課 増原さん、健康管理室 成川さん、グリーンハウス 松野さん、
健康管理室 青栁さん
―――健康管理室・産業保健専門職スタッフが関わっていらっしゃるのですね。
とても良いことだと思いますが、どのような経緯からスマートミールの導入になったのでしょうか?
毎月給食委員会が開催されますが、そこに出席しています。その中で健康管理室として、食を通した健康づくりにまつわることの提案や意見を述べさせてもらっています。
―――スマートミール提供についてのご提案も健康管理室からなされたのですか?
筑波工場では、かなり前から健康メニューの提供は行っていたのですが、利用者はとても少なく、第 1工場ですと約 1,000名のうちの 30名程度という状況でした。社員の健康管理において食はとても重要だと考えていましたので、何か対策を講じたい思っていましたところ、 2020年に第1工場の食堂受託会社の交代と食堂改築が行われました。また 2021年には、第 2食堂の受託も第 1工場と同じ 1つの会社になりました。その際のコンペにおいてグリーンハウス社からスマートミール提供の提案がありました。クボタの本社や他の工場においても既に認証を受けていましたので「負けていられない!」(笑)、筑波工場でも認証を受けたいと思いました。
その同じ年の 8月に、全社的な「クボタグループ健康宣言」が出されました。これがきっかけとなり、筑波工場でも具体的な健康経営の取組を始めました。「健康つくば 2021中期計画」と銘打ち幾つかの施策を掲げました。その一つに「スマートミール」の提供とその認証取得という目標を立てました。
―――機は熟した!!という感じでしょうか?それからの展開はどんなふうに?
これまでの経験から、健康メニューと打ち出しても一筋縄ではいかないだろうと予測できました。そこで思いついたのが近年トレンドともなっている「産学連携」です。管理栄養士の卵の学生の感性とアイディアが借りられたら、今までとは違った結果が出るかもしれないと思いました。その企画も社内コンセンサスが得られましたので、協力してくれそうな大学をネットで探し連絡しました。
―――それで、結果は?
120年という伝統と格式、知名度があり「衣食住」について考えて来られた知識をお借りできればと思い、どうしても日本女子大学が良いという強い思いで、最初に日本女子大学に連絡しましたが、なんということでしょう!!
食科学部栄養学科の松月教授にお引き受けいただけました。突然のご連絡だったため最初は、お断りされるのではないかと、半ばダメ元でしたが、ラッキーでした。ありがたかったです。運命の出会いでした。より科学的なアプローチもできるのではないかと期待がわいてきました。
―――それは、良かったですね。実際の取組についてお聞かせてください。
これまでの健康メニューがうまくいっていなかったことの 3つを日本女子大学にお伝えしました。 1つ目は、身体を使っての重筋作業者が多いため健康メニューそのものが(ヘルシー=まずい、味が薄いと)不人気なこと。 2つ目は、健康メニューの存在感がなく認知度が低かったこと。 3つ目は、健康メニューの魅力の発信不足だったことです。これらの課題を踏まえて、「クボタ+グリーンハウス+日本女子大」三者のコラボレーションが始まりました。
―――いよいよ産学連携がスタートしたのですね。
はい、課題解決のために 3つの施策を立てました。その 1は、健康メニューの人気度アップです。これは、まさに日本女子大生ならではの力を生かした魅力的なメニュー開発とアンケート調査による実態調査です。学生開発メニューの試食会を開きました。この試食会には、三者の他に社員の代表としてユニオンの給食委員も参加します。いろいろな立場の人が集まり美味しい健康メニュー(スマートミール)を作るために話し合いました。回を重ねるごとに親交が深まり信頼関係が醸成されてきているように感じます。

日本女子大考案メニュー
―――2 つ目の施策は、なんですか?
スマートミールの徹底した認知度アップです。まずは、スマートミールをより身近に感じてもらうために愛称をつけました。筑波工場独自の昼飯ということで「つくメシ」と名付けました。
そしてここからは、さすが日本女子大生とうなってしまうような「つくメシ」認知度アップのためのいろいろな作戦です。
学生開発メニューを、日本女子大 weekと称した連続 5日間にイベントとして 1年に数回提供しましたが、その時には、松月研究室の学生が食堂に来てイベントに参加して非日常性を盛り上げてくれました。
イベント開催の事前告知や、「つくメシ」の魅力、食に関する健康啓発情報を、工場内にある大型の数十個のパネルディスプレイで発信しますが、この原稿づくりも担当してくれました。また、日本女子大生の作詞・作曲・演奏・歌唱による「つくメシソング」まで作ってくれました。これは、社内のイントラサイトで聞くことができます。
つくメシのうたmp3

こうした様々な方法で「つくメシ」認知度を上げてきました。
―――そして、3つ目の施策ですね。
はい、この度の産学連携に大きく期待するところの、科学的アプローチによる喫食数アップです。
学生が参加するイベントでは必ずアンケアートを実施しました。この結果から「つくメシ」を選ぶ理由を、嗜好と食材の観点からメニュー分析するとともに残食数の分析も行い、売り切れの発生しない最大喫食数を算出して準備することにしました。
さらにタイミング良く食堂の改築が行われました。その際に、ナッジ理論を活用して「つくメシ」の提供場所への動線も改善しました。
―――喫食数アップのために、様々な対策を進めてこられた訳ですね。素晴らしい取組ですが、その結果はどうなりましたか?
はい、2022年9月から2024年9月までの2年間の「つくメシ」構成比率の推移では、第1食堂が6.9%から9.3%へ、第2食堂では、4.9%から8.7%と明らかな伸びを示しました。
―――とても立派な数字だと思います。大変顕著な喫食数増加ですが、改めて振り返ってみるとうまくいった理由は何だったとお考えになりますか?
まずは、日本女子大生の活躍とその貢献はとても大きかったと思います。また、勤労課、健康管理室、グリーンハウスさん、そしてユニオンという関係者が、一致団結して健康健康という前に、とにかく楽しくなければ続かないを合言葉に施策を進めてきたことと、それぞれの立場を理解したうえで社員のことを考えて話し合いを重ね確かな信頼関係が築けたこと、チームワークが良かったことがあるかと思います。
―――この場でも、その雰囲気を感じ取ることができます。簡単なようですがとても難しいことがしっかりできていたからこその成功と言えるのではないでしょうか?最後に今後の展開についてお聞かせいただけますでしょうか?
現在、3つを考えています。さらなる科学的なアプローチの推進として、「つくメシ」のヘビーユーザーの健康維持調査、次に新しい顧客層の創出として、アンチつくメシ群にもヒットすると思われる丼、カレー、ラーメンのメニュー開発に取り組みます。既に丼メニューは、試食会も終了、GOサインが出ています。そして3つ目は、フードロス対策です。売れ筋メニュー分析を基に的確な準備数を割り出し、限りなく残食数を減らすこと、フードロスの少ない食材やメニューの開発を産学連携で引き続き研究していきたいと思います。
―――長時間にわたり大変充実した取組のお話をお聞かせいただき本当にありがとうございました。
(取材後記)
様々な分野で産学連携が行われていることを耳にします。今回も健康経営会議実行委員会の健康経営実践勉強会で本件の事例報告をお聞きしました。こんなに素晴らしい内容ならもっと多くの人にお伝えしたいと思い取材を申し込みました。ご対応くださった方々は、どなたも明るく元気で前向きでした。明るさが溢れる上段の写真からも伝わってきませんか?(笑)
エンゲージメントを高めたいという会社の方針を体現されている素敵な皆様、ご協力本当にありがとうございました。
今回は、第6回認証(2022年8月)で見事★★★星三つを認証されたクボタ筑波工場のご紹介です。

クボタ筑波工場外観
筑波工場では、 1975年にトラクタと産業用エンジンの生産拠点のひとつとして設立され、主に 22~ 105馬力クラスのトラクタと産業用エンジンの生産を中心に行っています。
また、海外需要の高い製品群を生産しており、製品の海外売上比率は約 80%となっています。

第一工場食堂
これからも「お客様に信頼され、愛される製品(商品)づくり」、「従業員が安全で安心して働くことが出来る職場づくり」の2つのスローガンを実現すべく、日々取り組んでいきます。詳しくは、公式サイトをご覧ください。
―――本日は、スマートミール認証取得に関わった4 名の皆様にお集まりいただきましたが、最初に所属とお名前をお聞かせいただけますでしょうか?
勤労課食堂担当の増原です。健康管理室看護師の成川です。同じく健康管理室産業保健師の青栁です。給食受託会社(株式会社グリーンハウス)管理栄養士の松野です。

「つくメシ」(スマートミール)推進メンバーの皆様
左から勤労課 増原さん、健康管理室 成川さん、グリーンハウス 松野さん、
健康管理室 青栁さん
―――健康管理室・産業保健専門職スタッフが関わっていらっしゃるのですね。
とても良いことだと思いますが、どのような経緯からスマートミールの導入になったのでしょうか?
毎月給食委員会が開催されますが、そこに出席しています。その中で健康管理室として、食を通した健康づくりにまつわることの提案や意見を述べさせてもらっています。
―――スマートミール提供についてのご提案も健康管理室からなされたのですか?
筑波工場では、かなり前から健康メニューの提供は行っていたのですが、利用者はとても少なく、第 1工場ですと約 1,000名のうちの 30名程度という状況でした。社員の健康管理において食はとても重要だと考えていましたので、何か対策を講じたい思っていましたところ、 2020年に第1工場の食堂受託会社の交代と食堂改築が行われました。また 2021年には、第 2食堂の受託も第 1工場と同じ 1つの会社になりました。その際のコンペにおいてグリーンハウス社からスマートミール提供の提案がありました。クボタの本社や他の工場においても既に認証を受けていましたので「負けていられない!」(笑)、筑波工場でも認証を受けたいと思いました。
その同じ年の 8月に、全社的な「クボタグループ健康宣言」が出されました。これがきっかけとなり、筑波工場でも具体的な健康経営の取組を始めました。「健康つくば 2021中期計画」と銘打ち幾つかの施策を掲げました。その一つに「スマートミール」の提供とその認証取得という目標を立てました。
―――機は熟した!!という感じでしょうか?それからの展開はどんなふうに?
これまでの経験から、健康メニューと打ち出しても一筋縄ではいかないだろうと予測できました。そこで思いついたのが近年トレンドともなっている「産学連携」です。管理栄養士の卵の学生の感性とアイディアが借りられたら、今までとは違った結果が出るかもしれないと思いました。その企画も社内コンセンサスが得られましたので、協力してくれそうな大学をネットで探し連絡しました。
―――それで、結果は?
120年という伝統と格式、知名度があり「衣食住」について考えて来られた知識をお借りできればと思い、どうしても日本女子大学が良いという強い思いで、最初に日本女子大学に連絡しましたが、なんということでしょう!!
食科学部栄養学科の松月教授にお引き受けいただけました。突然のご連絡だったため最初は、お断りされるのではないかと、半ばダメ元でしたが、ラッキーでした。ありがたかったです。運命の出会いでした。より科学的なアプローチもできるのではないかと期待がわいてきました。
―――それは、良かったですね。実際の取組についてお聞かせてください。
これまでの健康メニューがうまくいっていなかったことの 3つを日本女子大学にお伝えしました。 1つ目は、身体を使っての重筋作業者が多いため健康メニューそのものが(ヘルシー=まずい、味が薄いと)不人気なこと。 2つ目は、健康メニューの存在感がなく認知度が低かったこと。 3つ目は、健康メニューの魅力の発信不足だったことです。これらの課題を踏まえて、「クボタ+グリーンハウス+日本女子大」三者のコラボレーションが始まりました。
―――いよいよ産学連携がスタートしたのですね。
はい、課題解決のために 3つの施策を立てました。その 1は、健康メニューの人気度アップです。これは、まさに日本女子大生ならではの力を生かした魅力的なメニュー開発とアンケート調査による実態調査です。学生開発メニューの試食会を開きました。この試食会には、三者の他に社員の代表としてユニオンの給食委員も参加します。いろいろな立場の人が集まり美味しい健康メニュー(スマートミール)を作るために話し合いました。回を重ねるごとに親交が深まり信頼関係が醸成されてきているように感じます。

日本女子大考案メニュー
―――2 つ目の施策は、なんですか?
スマートミールの徹底した認知度アップです。まずは、スマートミールをより身近に感じてもらうために愛称をつけました。筑波工場独自の昼飯ということで「つくメシ」と名付けました。
そしてここからは、さすが日本女子大生とうなってしまうような「つくメシ」認知度アップのためのいろいろな作戦です。
学生開発メニューを、日本女子大 weekと称した連続 5日間にイベントとして 1年に数回提供しましたが、その時には、松月研究室の学生が食堂に来てイベントに参加して非日常性を盛り上げてくれました。
イベント開催の事前告知や、「つくメシ」の魅力、食に関する健康啓発情報を、工場内にある大型の数十個のパネルディスプレイで発信しますが、この原稿づくりも担当してくれました。また、日本女子大生の作詞・作曲・演奏・歌唱による「つくメシソング」まで作ってくれました。これは、社内のイントラサイトで聞くことができます。
つくメシのうたmp3

こうした様々な方法で「つくメシ」認知度を上げてきました。
―――そして、3つ目の施策ですね。
はい、この度の産学連携に大きく期待するところの、科学的アプローチによる喫食数アップです。
学生が参加するイベントでは必ずアンケアートを実施しました。この結果から「つくメシ」を選ぶ理由を、嗜好と食材の観点からメニュー分析するとともに残食数の分析も行い、売り切れの発生しない最大喫食数を算出して準備することにしました。
さらにタイミング良く食堂の改築が行われました。その際に、ナッジ理論を活用して「つくメシ」の提供場所への動線も改善しました。
―――喫食数アップのために、様々な対策を進めてこられた訳ですね。素晴らしい取組ですが、その結果はどうなりましたか?
はい、2022年9月から2024年9月までの2年間の「つくメシ」構成比率の推移では、第1食堂が6.9%から9.3%へ、第2食堂では、4.9%から8.7%と明らかな伸びを示しました。
―――とても立派な数字だと思います。大変顕著な喫食数増加ですが、改めて振り返ってみるとうまくいった理由は何だったとお考えになりますか?
まずは、日本女子大生の活躍とその貢献はとても大きかったと思います。また、勤労課、健康管理室、グリーンハウスさん、そしてユニオンという関係者が、一致団結して健康健康という前に、とにかく楽しくなければ続かないを合言葉に施策を進めてきたことと、それぞれの立場を理解したうえで社員のことを考えて話し合いを重ね確かな信頼関係が築けたこと、チームワークが良かったことがあるかと思います。
―――この場でも、その雰囲気を感じ取ることができます。簡単なようですがとても難しいことがしっかりできていたからこその成功と言えるのではないでしょうか?最後に今後の展開についてお聞かせいただけますでしょうか?
現在、3つを考えています。さらなる科学的なアプローチの推進として、「つくメシ」のヘビーユーザーの健康維持調査、次に新しい顧客層の創出として、アンチつくメシ群にもヒットすると思われる丼、カレー、ラーメンのメニュー開発に取り組みます。既に丼メニューは、試食会も終了、GOサインが出ています。そして3つ目は、フードロス対策です。売れ筋メニュー分析を基に的確な準備数を割り出し、限りなく残食数を減らすこと、フードロスの少ない食材やメニューの開発を産学連携で引き続き研究していきたいと思います。
―――長時間にわたり大変充実した取組のお話をお聞かせいただき本当にありがとうございました。
(取材後記)
様々な分野で産学連携が行われていることを耳にします。今回も健康経営会議実行委員会の健康経営実践勉強会で本件の事例報告をお聞きしました。こんなに素晴らしい内容ならもっと多くの人にお伝えしたいと思い取材を申し込みました。ご対応くださった方々は、どなたも明るく元気で前向きでした。明るさが溢れる上段の写真からも伝わってきませんか?(笑)
エンゲージメントを高めたいという会社の方針を体現されている素敵な皆様、ご協力本当にありがとうございました。