「健康な食事・食環境」認証基準の科学的根拠
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2025.1.15更新
減塩で栄養バランスの整った食事をとることの有効性に関するエビデンスのほか、世界保健機関(WHO)と国際連合食糧農業機関(FAO)による「健康な食事」の定義や、日本高血圧学会による新基準(ナトリウム・カリウム比)等、最新の情報を追加しました。
※ 数字の後のasterisk 1)* は,日本人又は日本人を含む研究,赤文字の文献が2025年1月に更新された文献です.
※ 認証基準に関する科学的根拠の更新は,運営委員会委員が担当し,定期的に行っていきます。
必須項目
項目1.スマートミール(基準に合った食事)を提供している
要素:主食・主菜・副菜のそろう食事
1)* 40-59歳の男女(男性149名,女性150名)対象の4日間の24時間思い出し法による食事記録(INTERMAP研究)から主食・主菜・副菜のそろう食事回数を算出し,DRIs2015との関連を横断研究により検討した結果,回数が少ない者は,カリウム,V.A, VC. Caの摂取で不足のリスクが懸念された.
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Koyama T, et al: Relationship of Consumption of meals including grain, fish and meat, and vegetable dishes to the prevention of nutrient deficiency The INTERMAP Toyama study. J Nutr Sci Vitaminol 2016; 62: 101-107.
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2)* 自立高齢者76名を対象に主食・主菜・副菜を組み合わせた食事回数と栄養素摂取量との関連を横断研究により検討した結果,2日間の食事記録から,主食・主菜・副菜のそろう食事回数が多い者は,女性では食物繊維,VCが多かった.一方,男女ともに食塩摂取量も多かった.
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小山達也, 他: 自立高齢者における,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の回数と栄養素等摂取量の関係. 日本栄養・食糧学会誌 2014; 67: 299-305.
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3)* 2000~2017年に発表された論文を対象に,システマティックレビューを行った結果,12件が採択され,主食・主菜・副菜の揃った食事回数の多い人ほど,エネルギー,たんぱく質,各種ビタミン・ミネラルの摂取量が多く,日本人の食事摂取基準に合致していることが報告されていた.
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黒谷佳代, 他: 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事と健康・栄養状態ならびに食物・栄養素摂取状況との関連─国内文献データベースに基づくシステマティックレビュー─. 栄養学雑誌 2018; 76: 77-88.
備考:文献1)と2)を含むシステマティックレビュー
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4)* 男性13,355名,女性15,724名を対象に1992年にアンケート調査を実施し,「食事バランスガイド」への遵守度(0-70点)を評価した.1997年まで追跡し,死亡との関連を前向きコホート研究により検討した結果,女性のみ,食事バランスガイドに沿った食事の人ほど総死亡,がん及び循環器疾患以外の死亡と循環器疾患による死亡リスクが低かった.
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Oba S, et al.: Diet based on the Japanese Food Guide Spinning Top and subsequent mortality among men and women in a general Japanese population. J Am Diet Assoc 2009; 109: 1540-7.
備考:食事バランスガイドに沿った食事を曝露とした研究は,縦断研究にて検討した研究結果のみ採用
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5)* 45-75歳の健康な一般住民7万9594人を対象にアンケート調査を実施し,「食事バランスガイド」遵守得点(0-70点)を算出した.約15年間の追跡における死亡との関連を前向きコホート研究により検討した結果,食事バランスガイドに沿った食事の人ほど総死亡リスクが低く,特に循環器疾患,とりわけ脳血管疾患による死亡リスクが低かった.
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Kurotani K, et al.: Quality of diet and mortality among Japanese men and women: Japan Public Health Center based prospective study. BMJ 2016; 352: i1209.
備考:食事バランスガイドに沿った食事を曝露とした研究は,縦断研究にて検討した研究結果のみ採用
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6)* 2012年国民健康・栄養調査の6歳以上の協力者30269名の食事記録を用いた横断研究から,男女ともにいずれの年齢階級においても,主食・主菜・副菜の揃った食事回数が多い者ほど,たんぱく質,脂質,炭水化物,各種ビタミン・ミネラルの摂取量が日本人の食事摂取基準に合致していることが報告された.一方,主食・主菜・副菜の揃った食事回数が多い者ほど,飽和脂肪酸と食塩摂取量の目標量を超える者の割合が多いことが報告された.
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Ishikawa-Takata, K. et al.: Frequency of meals that includes staple, main and side dishes and nutrient intake: Findings from the 2012 National Health and Nutrition Survey, Japan. Public Health Nutr 2020; 13;1-11.
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7)* 60歳以上地域在住高齢者666人を対象に食物摂取頻度調査を実施し,食事バランスガイド得点を算出した.前向きコホート研究において3年間追跡し,サルコペニア評価指標との関連を検討した結果,食事バランスガイド得点が高い人ほど,骨格筋量指数(skeletal mastle mass index: SMI)が高く,女性に比べ,男性の方が顕著であった.
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Huang CH, et al. Dietary Patterns and Muscle Mass, Muscle Strength, and Physical Performance in the Elderly: A 3-Year Cohort Study. J Nutr Health Aging. 2021;25:108-115.
備考:食事バランスガイドに沿った食事を曝露とした研究は,縦断研究にて検討した研究結果のみ採用
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8)* 平成29年11~12月実施の「食育に関する意識調査」(農林水産省)のデータを用い,20~95歳の1,781名(男性796名,女性985名)において,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日に2回以上食べる頻度と主観的健康感との関連を横断研究により検討した結果,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日であることは,主観的健康感の良好さと関連していた.
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坂本 達昭ら. 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度と主観的健康感の関連—「食育に関する意識調査」データの解析より—, 日本健康教育学会誌, 2021;29:348-354.
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9)* 65歳以上の高齢者912人において,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べる頻度とフレイルとの関連を横断研究により検討した結果,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日の者ほどフレイルのオッズが低く,女性でより顕著であった.フレイルのコンポーネントのうち,体重減少,疲労感,活動量低下が主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度と関連していた.
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Yokoyama Y, et al. Frequency of Balanced-Meal Consumption and Frailty in Community-Dwelling Older Japanese: A Cross-Sectional Study. J Epidemiol. 2019;29:370-376.
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10)* 職域労働者の男性8,573名,女性3,327名において,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べる頻度と3年間の体重変化及び糖代謝異常の発症との関連を前向きコホート研究において検討した結果,男性において主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度と体重増加が負に関連し,肥満の男性において主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度が低い者ほど糖代謝異常発症リスクが高かった.
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Sakurai M,et al.Frequency of consumption of balanced meals, bodyweight gain and incident risk of glucose intolerance in Japanese men and women: A cohort study. J Diabetes Investig. 2021;12:763-770.
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11)* 小学5年生185人の4日間の食事記録を用いた横断研究において,食事パタンを分類し,栄養素等摂取量の適正さを日本人の食事摂取基準(2020年版)の1日の3分の1の値より評価した結果,男子で「主食と主菜等を合わせた料理+主菜+副菜」,「主食+主菜+副菜」,女子では「主食と主菜等を合わせた料理+主菜+副菜」,「主食と主菜等を合わせた料理+副菜」,「主食+主菜+副菜」「主食と主菜等を合わせた料理+主菜」が食事摂取基準の基準値の「適正」に該当した栄養素の数が多かった.
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塩原 由香. 小学生の1食の食事パタンにおける栄養素等摂取量の実態と適正さの評価, 栄養学雑誌, 2023;81:3-19.
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12)* 30~69歳の日本人を対象に,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度とBDHQにより把握した栄養素等摂取量及び食品群別摂取量を比較した結果,主食・主菜・副菜の摂取頻度が低い人ほど,海藻,魚介類,卵類の摂取量が少なく,たんぱく質,ビタミンB2,ビタミンB6,葉酸,ビタミンCについては推定平均必要量に満たない摂取量の者の割合が高かった.一方で,目標量については,主食・主菜・副菜の摂取頻度との関連は見られなかった.
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Narumi-Hyakutake A et al. Relationship between Frequency of Meals Comprising Staple Grain, Main, and Side Dishes and Nutritional Adequacy in Japanese Adults: A Cross-Sectional Study. Nutrients. 2024;16:1628.
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参考1)
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FAOとWHOにより,"Healthy diets"のガイドラインが公表され,Adequate(過剰でも不足でもなく適切な範囲で必要な栄養素とる),Balanced(適切なエネルギーの範囲でエネルギー産生栄養素バランスを整える),Moderate(健康に悪影響を与える栄養素・食品は摂取を控えるか避ける),Diverse(栄養価の高い食品・食品群を幅広く取り入れる)の4つの要素が示された.
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World Health Organization & Food and Agriculture Organization of the United Nations. What are healthy diets? Joint statement by the Food and Agriculture Organization of the United Nations and the World Health Organization.
備考:スマートミールの基準全体に関連したエビデンス
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要素:PFC比
1)* 日本人の食事摂取基準(2020年版)では,エネルギー産生栄養素バランスは,「エネルギーを産生する栄養素(energy-providing nutrients,macronutrients),すなわち,たんぱく質,脂質,炭水化物(アルコールを含む)とそれらの構成成分が総エネルギー摂取量に占めるべき割合(% エネルギー: %E)」として,これらの構成比率が,生活習慣病の発症予防及び重症化予防の観点から目標量として示されている.
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2)* 7つの前向きコホート研究(432,179名)のメタアナリシスにおいて,炭水化物エネルギー比率と死亡リスクとの関連を検討した結果,追跡期間中に40,181名が死亡し,U字型の関連を示した.炭水化物を動物性脂肪/たんぱく質に置換した場合,死亡リスクは増加した一方で,植物性脂肪/たんぱく質に置換した場合,死亡リスクは低下した.
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Seidelmann SB, et al.: Lancet Public Health 2018; 3: e419–2
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3)* 10件の前向きコホート研究のメタアナリシスにおいて,低炭水化物スコアと死亡リスクとの関連を検討した結果,総死亡及び循環器疾患死亡とのU字型の関連を示し,がん死亡との直線的にリスクが増加した.炭水化物を植物性脂肪/たんぱく質に置換した場合,総死亡リスクは低下した.
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Ghorbani Z, et al. Overall, plant-based, or animal-based low carbohydrate diets and all-cause and cause-specific mortality: A systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. Ageing Res Rev. 2023;90:101997.
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要素:食塩相当量
(項目No.26「スマートミールの食塩相当量は,1食「ちゃんと」は2.5g未満,「しっかり」は3.0g未満である」を含む)
1)* 日本人の食事摂取基準(2015年版) 目標量 男性8 g/日, 女性7 g/日.・日本人の食事摂取基準(2020年版) 目標量 男性7.5 g/日, 女性6.5 g/日.
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厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2015年版)厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2020年版)
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2) 英国では大規模な減塩キャンペーンが実施されており,2003-2011年英国健康調査の16歳以上のデータ(2003 N=9183, 2006 N=8762, 2008 N=8974 and 2011 N=4753)を用い,食塩摂取量,血圧,虚血性心疾患,脳血管疾患による死亡との関連をトレンド分析により検討した結果,2003年以降,食塩摂取量が減少し,それに伴い血圧値,循環器血管死亡率が低下した.
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He FJ, et al. Salt reduction in England from 2003 to 2011: its relationship to blood pressure, stroke and ischaemic heart disease mortality. BMJ Open. 2014;4:e004549.
備考:食環境整備を通じた減塩の効果
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3)
* INTERMAP研究に参加した日本を含む4カ国の40-59歳の男女4680名を対象とした横断研究において,尿中ナトリウム排泄量(非連続2回の24時間蓄尿)と血圧の関連は,基本的属性や生活習慣,各種栄養素摂取量(非連続の4日間の24時間思い出し法より)の影響を除外しても,有意な関連がみられた. 同様の関連は,Na/K比でもみられた.
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Stamler J, et al: Relation of Dietary Sodium (Salt) to Blood Pressure and Its Possible modulation by other Dietary Factors: The INTERMAP study. Hypertension 2018; 71: 631-637.
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4)* 世界195ヵ国のデータを用いて,食事関連リスク要因とそれらに起因する世界の推計過剰死亡者数が推計された結果,日本を含む東アジアでは,食塩摂取過剰,次いで,精製度の低い穀類が少ないこと,次いで果物の摂取不足が食事関連リスク要因として挙げられている.
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GBD 2017 Diet Collaborators. Health effects of dietary risks in 195 countries, 1990-2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet 2019; 393: 1958-73.
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5)* 世界の疾病負荷研究2019(GBD 2019)のデータを用いて,日本における健康リスク因子別の死亡及び障害調整生存年数(DALYs)の寄与割合を推計した結果,喫煙,代謝系,アルコールに次いで,食塩摂取過剰,精製度の低い穀類の低摂取,果物の摂取不足がリスク要因として挙げられている.
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Nomura S et al. Toward a third term of Health Japan 21 - implications from the rise in non-communicable disease burden and highly preventable risk factors. Lancet Reg Health West Pac. 2022;21:100377.
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6) 米国における50~75歳の男女(n=213)を対象としたクロスオーバー試験において,低ナトリウム食(Na 500mg/日)と高ナトリウム食(通常食+2000mg/日)を1週間ずつ摂取させた結果,高ナトリウム食に比べ,低ナトリウム食摂取では,収縮期血圧が8mmHg有意に低く,年齢,性別,人種,高血圧の有無,ベースラインの血圧,糖尿病の有無,BMIによるサブグループでも同様の結果であった.
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Gupta DK et al. Effect of Dietary Sodium on Blood Pressure: A Crossover Trial. JAMA. 2023;330:2258-2266.
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参考1)*
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・死亡関連指標の国際比較,世界規模での非感染性疾患リスク要因及び“健康な食事”について,国内外の疫学研究より概説されている.
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津金 昌一郎. 日本人にとっての“健康な食事”とは何か?, フードシステム研究. 2020; 27: 80-87
備考:文献4)を含むの日本語開設
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参考2)*
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・食塩の摂取は最小限(男性7.5g/日未満,女性6.5g/日未満(厚生労働省日本人の食事摂取基準))に.
・高塩分食品の摂取を控えることは胃がんの予防につながる.また,減塩は高血圧を予防し,循環器病予防にもつながる.
・減塩の効果は,子どもから高齢者まで世代に関わらず見られる.
「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より
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国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
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参考3)*
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・NIPPON DATA80コホート研究に参加した30-79歳の男女8,283名を対象に24年間追跡した結果,3日間の食事のNa/K比と非線形に脳卒中及び心血管疾患による死亡と総死亡のリスク増加との関連がみられ,他の危険因子の影響を除外しても,同様の結果がみられた.
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Okayama A, et al.; NIPPON DATA80 Research Group. Dietary sodium-to-potassium ratio as a risk factor for stroke, cardiovascular disease and all-cause mortality in Japan: the NIPPON DATA80 cohort study. BMJ Open. 2016;6(7):e011632.
備考:ナトカリ比
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参考4)*
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・日本高血圧学会の尿ナトリウム・カリウム比ワーキンググループによるコンセンサスステートメントにおいて,健常日本人の尿ナトカリ比の目標値として2未満を至適目標,4未満を実現可能目標に設定している.
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Hisamatsu T et al. Japanese Society of Hypertension Working Group on Urine Sodium-to-Potassium Ratio. Practical use and target value of urine sodium-to-potassium ratio in assessment of hypertension risk for Japanese: Consensus Statement by the Japanese Society of Hypertension Working Group on Urine Sodium-to-Potassium Ratio. Hypertens Res. 2024(Epub ahead of print)
備考:尿ナトカリ比
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項目3.スマートミールに「おすすめ」と表示するなど,選択時にプロモーションされていることがわかる
要素:複合的な取り組み
1)
* 2019年4月~8月,東京都内の病院内コンビニエンスストア1店舗において,複数のナッジを組み合わせた取り組みを実施し,介入前と比べた売り上げの変化を把握した.研究デザインは,前後比較デザインとした. 情報の提供では,ヘルシーセットに「当店限定」や「先月の人気No1」等を表示した.また,カップ麺の食塩量は,実際の塩と目を引くイラストを用いて表示した.その他,品揃え,商品の配置,価格の配慮を実施した.その結果,介入期間中の売上(前年同月比)は,総売上,サラダ類,無糖飲料,弁当類,パスタ類が有意に増加し,加糖飲料,おにぎり,パン類が有意に減少した.カップ麺類の食塩含有量別販売構成比は,介入開始後,含有量の少ない商品割合が有意に増加した.
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川畑 輝子, 他. 医療施設内コンビニエンスストアにおけるナッジを活用した食環境整備の試み. フードシステム研究 2021; 27:226-231.
備考:項目No.3のほか,品揃え(項目No.15),価格(項目No.16)にも該当する.
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要素:メニュー表への表示
2)* 2023年3月~4月,18歳以上のオランダ人を対象に,オンライン上にてレストランメニューに関する3つのナッジの検証が行われた.オンライン実験では,513人の参加者を4つの条件:①ナッジなし,②快楽的なラベル(ベジタリアンオプションを「職人仕込み」と提示),③シェフのおすすめ(ベジタリアンオプションを「シェフのお気に入り」と提示),④目立たせるナッジ(ベジタリアンオプションを枠で囲む)に割り当て,各条件でメニュー表に4つの選択肢(うち1つがベジタリアン)を提示した.参加者はメニューを1つ選び,その後,その食事の「美味しさ」と「満足感」を評価した.さらに,どのナッジが使用されたかを明らかにした上で,参加者がそれをどう受け止めたかを尋ねた.その結果,「快楽的なラベル」と「シェフのおすすめ」のナッジが,ベジタリアンメニューの選択を増加させることが示された.なお,「快楽的なラベル」は,食事の満足感の評価を向上させたが,美味しさの評価には影響を与えなかった.さらに,ナッジは概ね受け入れられ,参加者が(仮想)レストランに再訪する意図も高いことが示された.
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Weijers RJ, et al. Nudging towards sustainable dining: Exploring menu nudges to promote vegetarian meal choices in restaurants. Appetite 2024; 198: 107376.
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項目6.管理栄養士・栄養士がスマートミールの作成・確認に関与している
要素:管理栄養士・栄養士の関与
参考1)
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・食事療法の実践にあたって,管理栄養士による指導が有効である.
・管理栄養士による指導は,医師や他の医療スタッフによる指導に比べて,体重減少,HbA1cの改善,血中LDL-Cの低下において,いずれも有意な改善を認めたとしている.
「糖尿病診療ガイドライン2019」より |
Møller G, et al. A systematic review and meta-analysis of nutrition therapy compared with dietary advice in patients with type 2 diabetes. Am J Clin Nutr. 2017;106:1394-1400.
備考:システマティックレビュー
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参考2)
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・食事療法の実践にあたって,管理栄養士による指導が有効である.
・管理栄養士の指導によって,総エネルギー摂取量の適正化,栄養素バランスの是正が期待できる.
「糖尿病診療ガイドライン2019」より |
Huang MC, et al. Prospective randomized controlled trial to evaluate effectiveness of registered dietitian-led diabetes management on glycemic and diet control in a primary care setting in Taiwan. Diabetes Care. 2010;33:233-239.
備考:RCT
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項目7.店内禁煙である
要素:受動喫煙の防止
1)
* 受動喫煙による健康影響について安全域はなく,受動喫煙との関係が確実と判定された肺がん,脳卒中,心筋梗塞,乳幼児突然死症候群に限っても,年間15,000人が死亡すると推定されている.
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厚生労働省 喫煙の健康影響に関する検討会編: 喫煙と健康. 喫煙の健康影響に関する検討会報告書, 平成28年8月.
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2) 法律によって屋内の喫煙が禁止された国々では,心筋梗塞などの心疾患,脳卒中,COPD や喘息などの呼吸器疾患が約20-40%減少することが45 論文のメタ解析により報告されている. その効果は,禁煙化の範囲がレストラン,居酒屋・バーを含む国の方がそうでない国よりも大きいことも明らかになっている.
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Tan CE, et al: Association between smoke-free legislation and hospitalizations for cardiac, cerebrovascular, and respiratory diseases: a meta-analysis. Circulation 2012; 126: 2177-2183.
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3) また,法律によって屋内の喫煙が禁止されることにより,早産や子どもの喘息の入院が減少することも,11 論文のメタ解析により報告されている.
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Been JV, et al: Effect of smoke-free legislation on perinatal and child health: a systematic review and meta-analysis. Lancet 2014; 383, 1549–1560.
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4) 37研究をまとめたシステマティックレビューにおいて,建物内が全面禁煙化されることで,禁煙する人が増えることが報告されている.
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Hopkins DP, et al: Smokefree policies to reduce tobacco use, A systematic review. Am J Prev Med 2010; 38: s275-s289.
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5)* 愛知県全域の飲食店8,558店舗を対象とした横断研究において,禁煙化による顧客数や売り上げ減少などの影響は少ないことが報告されている.
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宇佐美毅, 他: 飲食店における受動喫煙防止対策の実態と禁煙化による経営への影響についての考察. 日本公衆衛生雑誌 2012; 59: 440-446.
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6)* 飲食店の全客席の禁煙化が営業収入に与える影響について,全国で営業されている単一ブランドのチェーンレストランの 5 年間の営業収入を分析した結果,客席を全面禁煙することにより営業収入が有意に増加するが,分煙化では有意な増加は認められないことが報告されている.
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大和浩, 他: 某ファミリーレストラングループにおける客席禁煙化前後の営業収入の相対変化-未改装店,分煙店の相対変化との比較. 日本公衆衛生雑誌 2014; 61: 130-135.
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7) 法律による公共の場所での喫煙の禁止は,受動喫煙の減少による循環器疾患リスク低減に寄与することが21ヵ国からの研究に基づくコクランレビューで報告されている.
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Frazer K, et al. Legislative smoking bans for reducing harms from secondhand smoke exposure, smoking prevalence and tobacco consumption. Cochrane Database of Systematic Reviews 2016, Issue 2. Art. No.: CD005992.
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8)* 都道府県別に「食べログ」「Retty」「ぐるなび」に掲載の飲食店の禁煙割合と有訴者率・通院者率・医療費・死亡率との関係について検討した結果, 禁煙割合は医療費と有意な負の相関が認められ,飲食店のジャンル別では,「カフェ・喫茶」「バー・お酒」,「レストラン」のいずれの店舗においても,禁煙割合と医療費とに負の相関が認められた.さらに,禁煙割合は主に脳血管疾患,脳梗塞,肺炎と負の相関が認められ,男性より女性での負の相関が強いことが報告されている.
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川村 晃右, 他: 飲食店における禁煙実施状況と有訴者率・通院者率・医療費・死亡率との関係:都道府県別の資料による検討, 日本衛生学雑誌, 2019, 74: 1-7.
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参考1)*
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・2020年4月に改正健康増進法と東京都受動喫煙防止条例が施行された.現行の法律や条例では,客席での喫煙が引き続き可能な飲食店(既存特定飲食提供施設)が存在するため,飲食店の禁煙化に地域差が生じる懸念がある.既存特定飲食提供施設を対象として,法律や条例施行前の飲食店の屋内客席喫煙ルールと施行後のルール変更に関する意向を把握し,法律や条例制定による屋内客席喫煙ルールへの影響を東京都,大阪府,青森県の20市区町村において検討した結果,法律や条例施行後に全面禁煙となる予定の店舗は,東京都で46.6%(55/118),大阪府で49.6%(113/228),青森県で48.6%(125/257)であると報告されている.
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片岡 葵, 他: 受動喫煙対策に関する法律・条例施行に伴う既存特定飲食提供施設の屋内客席喫煙ルールの現状および変更意向に関する調査, 日本公衆衛生雑誌,2021;68:682-694.
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参考2)*
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・他人のたばこの煙を避ける.
・受動喫煙により,がん,循環器病,高血圧,糖尿病,呼吸器疾患のリスクが増加する.
・妊婦の受動喫煙により,妊娠中・産褥期のうつ,早産,子どもの発達遅延のリスクが増加する可能性がある. ・子どもの受動喫煙により,乳幼児突然死症候群や呼吸器疾患のリスクが増加する.また,家庭内で受動喫煙を受けた子どもは,将来喫煙しやすいことも指摘されている.
・加熱式たばこも吸わない,煙も避ける.
・WHOは,たばこ葉を含む全てのたばこ製品は有害であるとの原則から,健康影響が不確かな現状においても,加熱式たばこを規制の対象にすべきとの見解を示している. 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より |
国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
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必須項目
項目1.スマートミール(基準に合った食事)を提供している
要素:主食・主菜・副菜のそろう食事
1)* 40-59歳の男女(男性149名,女性150名)対象の4日間の24時間思い出し法による食事記録(INTERMAP研究)から主食・主菜・副菜のそろう食事回数を算出し,DRIs2015との関連を横断研究により検討した結果,回数が少ない者は,カリウム,V.A, VC. Caの摂取で不足のリスクが懸念された.
Koyama T, et al: Relationship of Consumption of meals including grain, fish and meat, and vegetable dishes to the prevention of nutrient deficiency The INTERMAP Toyama study. J Nutr Sci Vitaminol 2016; 62: 101-107.
2)* 自立高齢者76名を対象に主食・主菜・副菜を組み合わせた食事回数と栄養素摂取量との関連を横断研究により検討した結果,2日間の食事記録から,主食・主菜・副菜のそろう食事回数が多い者は,女性では食物繊維,VCが多かった.一方,男女ともに食塩摂取量も多かった.
小山達也, 他: 自立高齢者における,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の回数と栄養素等摂取量の関係. 日本栄養・食糧学会誌 2014; 67: 299-305.
DOI:
3)* 2000~2017年に発表された論文を対象に,システマティックレビューを行った結果,12件が採択され,主食・主菜・副菜の揃った食事回数の多い人ほど,エネルギー,たんぱく質,各種ビタミン・ミネラルの摂取量が多く,日本人の食事摂取基準に合致していることが報告されていた.
黒谷佳代, 他: 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事と健康・栄養状態ならびに食物・栄養素摂取状況との関連─国内文献データベースに基づくシステマティックレビュー─. 栄養学雑誌 2018; 76: 77-88.
備考:文献1)と2)を含むシステマティックレビュー
4)* 男性13,355名,女性15,724名を対象に1992年にアンケート調査を実施し,「食事バランスガイド」への遵守度(0-70点)を評価した.1997年まで追跡し,死亡との関連を前向きコホート研究により検討した結果,女性のみ,食事バランスガイドに沿った食事の人ほど総死亡,がん及び循環器疾患以外の死亡と循環器疾患による死亡リスクが低かった.
Oba S, et al.: Diet based on the Japanese Food Guide Spinning Top and subsequent mortality among men and women in a general Japanese population. J Am Diet Assoc 2009; 109: 1540-7.
備考:食事バランスガイドに沿った食事を曝露とした研究は,縦断研究にて検討した研究結果のみ採用
5)* 45-75歳の健康な一般住民7万9594人を対象にアンケート調査を実施し,「食事バランスガイド」遵守得点(0-70点)を算出した.約15年間の追跡における死亡との関連を前向きコホート研究により検討した結果,食事バランスガイドに沿った食事の人ほど総死亡リスクが低く,特に循環器疾患,とりわけ脳血管疾患による死亡リスクが低かった.
Kurotani K, et al.: Quality of diet and mortality among Japanese men and women: Japan Public Health Center based prospective study. BMJ 2016; 352: i1209.
備考:食事バランスガイドに沿った食事を曝露とした研究は,縦断研究にて検討した研究結果のみ採用
6)* 2012年国民健康・栄養調査の6歳以上の協力者30269名の食事記録を用いた横断研究から,男女ともにいずれの年齢階級においても,主食・主菜・副菜の揃った食事回数が多い者ほど,たんぱく質,脂質,炭水化物,各種ビタミン・ミネラルの摂取量が日本人の食事摂取基準に合致していることが報告された.一方,主食・主菜・副菜の揃った食事回数が多い者ほど,飽和脂肪酸と食塩摂取量の目標量を超える者の割合が多いことが報告された.
Ishikawa-Takata, K. et al.: Frequency of meals that includes staple, main and side dishes and nutrient intake: Findings from the 2012 National Health and Nutrition Survey, Japan. Public Health Nutr 2020; 13;1-11.
7)* 60歳以上地域在住高齢者666人を対象に食物摂取頻度調査を実施し,食事バランスガイド得点を算出した.前向きコホート研究において3年間追跡し,サルコペニア評価指標との関連を検討した結果,食事バランスガイド得点が高い人ほど,骨格筋量指数(skeletal mastle mass index: SMI)が高く,女性に比べ,男性の方が顕著であった.
Huang CH, et al. Dietary Patterns and Muscle Mass, Muscle Strength, and Physical Performance in the Elderly: A 3-Year Cohort Study. J Nutr Health Aging. 2021;25:108-115.
備考:食事バランスガイドに沿った食事を曝露とした研究は,縦断研究にて検討した研究結果のみ採用
8)* 平成29年11~12月実施の「食育に関する意識調査」(農林水産省)のデータを用い,20~95歳の1,781名(男性796名,女性985名)において,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日に2回以上食べる頻度と主観的健康感との関連を横断研究により検討した結果,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日であることは,主観的健康感の良好さと関連していた.
坂本 達昭ら. 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度と主観的健康感の関連—「食育に関する意識調査」データの解析より—, 日本健康教育学会誌, 2021;29:348-354.
9)* 65歳以上の高齢者912人において,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べる頻度とフレイルとの関連を横断研究により検討した結果,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日がほぼ毎日の者ほどフレイルのオッズが低く,女性でより顕著であった.フレイルのコンポーネントのうち,体重減少,疲労感,活動量低下が主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度と関連していた.
Yokoyama Y, et al. Frequency of Balanced-Meal Consumption and Frailty in Community-Dwelling Older Japanese: A Cross-Sectional Study. J Epidemiol. 2019;29:370-376.
10)* 職域労働者の男性8,573名,女性3,327名において,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べる頻度と3年間の体重変化及び糖代謝異常の発症との関連を前向きコホート研究において検討した結果,男性において主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度と体重増加が負に関連し,肥満の男性において主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度が低い者ほど糖代謝異常発症リスクが高かった.
Sakurai M,et al.Frequency of consumption of balanced meals, bodyweight gain and incident risk of glucose intolerance in Japanese men and women: A cohort study. J Diabetes Investig. 2021;12:763-770.
11)* 小学5年生185人の4日間の食事記録を用いた横断研究において,食事パタンを分類し,栄養素等摂取量の適正さを日本人の食事摂取基準(2020年版)の1日の3分の1の値より評価した結果,男子で「主食と主菜等を合わせた料理+主菜+副菜」,「主食+主菜+副菜」,女子では「主食と主菜等を合わせた料理+主菜+副菜」,「主食と主菜等を合わせた料理+副菜」,「主食+主菜+副菜」「主食と主菜等を合わせた料理+主菜」が食事摂取基準の基準値の「適正」に該当した栄養素の数が多かった.
塩原 由香. 小学生の1食の食事パタンにおける栄養素等摂取量の実態と適正さの評価, 栄養学雑誌, 2023;81:3-19.
12)* 30~69歳の日本人を対象に,主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度とBDHQにより把握した栄養素等摂取量及び食品群別摂取量を比較した結果,主食・主菜・副菜の摂取頻度が低い人ほど,海藻,魚介類,卵類の摂取量が少なく,たんぱく質,ビタミンB2,ビタミンB6,葉酸,ビタミンCについては推定平均必要量に満たない摂取量の者の割合が高かった.一方で,目標量については,主食・主菜・副菜の摂取頻度との関連は見られなかった.
Narumi-Hyakutake A et al. Relationship between Frequency of Meals Comprising Staple Grain, Main, and Side Dishes and Nutritional Adequacy in Japanese Adults: A Cross-Sectional Study. Nutrients. 2024;16:1628.
参考1)
FAOとWHOにより,"Healthy diets"のガイドラインが公表され,Adequate(過剰でも不足でもなく適切な範囲で必要な栄養素とる),Balanced(適切なエネルギーの範囲でエネルギー産生栄養素バランスを整える),Moderate(健康に悪影響を与える栄養素・食品は摂取を控えるか避ける),Diverse(栄養価の高い食品・食品群を幅広く取り入れる)の4つの要素が示された.
World Health Organization & Food and Agriculture Organization of the United Nations. What are healthy diets? Joint statement by the Food and Agriculture Organization of the United Nations and the World Health Organization.
備考:スマートミールの基準全体に関連したエビデンス
要素:PFC比
1)* 日本人の食事摂取基準(2020年版)では,エネルギー産生栄養素バランスは,「エネルギーを産生する栄養素(energy-providing nutrients,macronutrients),すなわち,たんぱく質,脂質,炭水化物(アルコールを含む)とそれらの構成成分が総エネルギー摂取量に占めるべき割合(% エネルギー: %E)」として,これらの構成比率が,生活習慣病の発症予防及び重症化予防の観点から目標量として示されている.
18歳-49歳:たんぱく質(P) 13-20 %E,脂質(F)20-30 %E,炭水化物(C)50-65 %E50歳-64歳:たんぱく質(P) 14-20 %E,脂質(F)20-30 %E,炭水化物(C)50-65 %E65歳以上:たんぱく質(P) 15-20 %E,脂質(F)20-30 %E,炭水化物(C)50-65 %E.
厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2020年版)
2)* 7つの前向きコホート研究(432,179名)のメタアナリシスにおいて,炭水化物エネルギー比率と死亡リスクとの関連を検討した結果,追跡期間中に40,181名が死亡し,U字型の関連を示した.炭水化物を動物性脂肪/たんぱく質に置換した場合,死亡リスクは増加した一方で,植物性脂肪/たんぱく質に置換した場合,死亡リスクは低下した.
Seidelmann SB, et al.: Lancet Public Health 2018; 3: e419–2
3)* 10件の前向きコホート研究のメタアナリシスにおいて,低炭水化物スコアと死亡リスクとの関連を検討した結果,総死亡及び循環器疾患死亡とのU字型の関連を示し,がん死亡との直線的にリスクが増加した.炭水化物を植物性脂肪/たんぱく質に置換した場合,総死亡リスクは低下した.
Ghorbani Z, et al. Overall, plant-based, or animal-based low carbohydrate diets and all-cause and cause-specific mortality: A systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. Ageing Res Rev. 2023;90:101997.
要素:食塩相当量
(項目No.26「スマートミールの食塩相当量は,1食「ちゃんと」は2.5g未満,「しっかり」は3.0g未満である」を含む)
1)* 日本人の食事摂取基準(2015年版) 目標量 男性8 g/日, 女性7 g/日.・日本人の食事摂取基準(2020年版) 目標量 男性7.5 g/日, 女性6.5 g/日.
厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2015年版)厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2020年版)
2) 英国では大規模な減塩キャンペーンが実施されており,2003-2011年英国健康調査の16歳以上のデータ(2003 N=9183, 2006 N=8762, 2008 N=8974 and 2011 N=4753)を用い,食塩摂取量,血圧,虚血性心疾患,脳血管疾患による死亡との関連をトレンド分析により検討した結果,2003年以降,食塩摂取量が減少し,それに伴い血圧値,循環器血管死亡率が低下した.
He FJ, et al. Salt reduction in England from 2003 to 2011: its relationship to blood pressure, stroke and ischaemic heart disease mortality. BMJ Open. 2014;4:e004549.
備考:食環境整備を通じた減塩の効果
3)* INTERMAP研究に参加した日本を含む4カ国の40-59歳の男女4680名を対象とした横断研究において,尿中ナトリウム排泄量(非連続2回の24時間蓄尿)と血圧の関連は,基本的属性や生活習慣,各種栄養素摂取量(非連続の4日間の24時間思い出し法より)の影響を除外しても,有意な関連がみられた. 同様の関連は,Na/K比でもみられた.
Stamler J, et al: Relation of Dietary Sodium (Salt) to Blood Pressure and Its Possible modulation by other Dietary Factors: The INTERMAP study. Hypertension 2018; 71: 631-637.
4)* 世界195ヵ国のデータを用いて,食事関連リスク要因とそれらに起因する世界の推計過剰死亡者数が推計された結果,日本を含む東アジアでは,食塩摂取過剰,次いで,精製度の低い穀類が少ないこと,次いで果物の摂取不足が食事関連リスク要因として挙げられている.
GBD 2017 Diet Collaborators. Health effects of dietary risks in 195 countries, 1990-2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet 2019; 393: 1958-73.
5)* ・世界の疾病負荷研究2019(GBD 2019)のデータを用いて,日本における健康リスク因子別の死亡及び障害調整生存年数(DALYs)の寄与割合を推計した結果,喫煙,代謝系,アルコールに次いで,食塩摂取過剰,精製度の低い穀類の低摂取,果物の摂取不足がリスク要因として挙げられている.
Nomura S et al. Toward a third term of Health Japan 21 - implications from the rise in non-communicable disease burden and highly preventable risk factors. Lancet Reg Health West Pac. 2022;21:100377.
6) 米国における50~75歳の男女(n=213)を対象としたクロスオーバー試験において,低ナトリウム食(Na 500mg/日)と高ナトリウム食(通常食+2000mg/日)を1週間ずつ摂取させた結果,高ナトリウム食に比べ,低ナトリウム食摂取では,収縮期血圧が8mmHg有意に低く,年齢,性別,人種,高血圧の有無,ベースラインの血圧,糖尿病の有無,BMIによるサブグループでも同様の結果であった.
Gupta DK et al. Effect of Dietary Sodium on Blood Pressure: A Crossover Trial. JAMA. 2023;330:2258-2266.
参考1)*
・死亡関連指標の国際比較,世界規模での非感染性疾患リスク要因及び“健康な食事”について,国内外の疫学研究より概説されている.
津金 昌一郎. 日本人にとっての“健康な食事”とは何か?, フードシステム研究. 2020; 27: 80-87
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jfsr/27/3/27_80/_pdf/-char/ja
備考:文献4)を含むの日本語開設
参考2)*
・食塩の摂取は最小限(男性7.5g/日未満,女性6.5g/日未満(厚生労働省日本人の食事摂取基準))に.
・高塩分食品の摂取を控えることは胃がんの予防につながる.また,減塩は高血圧を予防し,循環器病予防にもつながる.
・減塩の効果は,子どもから高齢者まで世代に関わらず見られる.
「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より
国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
参考3)*
・NIPPON DATA80コホート研究に参加した30-79歳の男女8,283名を対象に24年間追跡した結果,3日間の食事のNa/K比と非線形に脳卒中及び心血管疾患による死亡と総死亡のリスク増加との関連がみられ,他の危険因子の影響を除外しても,同様の結果がみられた.
Okayama A, et al.; NIPPON DATA80 Research Group. Dietary sodium-to-potassium ratio as a risk factor for stroke, cardiovascular disease and all-cause mortality in Japan: the NIPPON DATA80 cohort study. BMJ Open. 2016;6(7):e011632.
備考:ナトカリ比
参考4)*
・日本高血圧学会の尿ナトリウム・カリウム比ワーキンググループによるコンセンサスステートメントにおいて,健常日本人の尿ナトカリ比の目標値として2未満を至適目標,4未満を実現可能目標に設定している.
Hisamatsu T et al. Japanese Society of Hypertension Working Group on Urine Sodium-to-Potassium Ratio. Practical use and target value of urine sodium-to-potassium ratio in assessment of hypertension risk for Japanese: Consensus Statement by the Japanese Society of Hypertension Working Group on Urine Sodium-to-Potassium Ratio. Hypertens Res. 2024(Epub ahead of print)
備考:尿ナトカリ比
項目3.スマートミールに「おすすめ」と表示するなど,選択時にプロモーションされていることがわかる
要素:複合的な取り組み
1)* 2019年4月~8月,東京都内の病院内コンビニエンスストア1店舗において,複数のナッジを組み合わせた取り組みを実施し,介入前と比べた売り上げの変化を把握した.研究デザインは,前後比較デザインとした. 情報の提供では,ヘルシーセットに「当店限定」や「先月の人気No1」等を表示した.また,カップ麺の食塩量は,実際の塩と目を引くイラストを用いて表示した.その他,品揃え,商品の配置,価格の配慮を実施した.その結果,介入期間中の売上(前年同月比)は,総売上,サラダ類,無糖飲料,弁当類,パスタ類が有意に増加し,加糖飲料,おにぎり,パン類が有意に減少した.カップ麺類の食塩含有量別販売構成比は,介入開始後,含有量の少ない商品割合が有意に増加した.
川畑 輝子, 他. 医療施設内コンビニエンスストアにおけるナッジを活用した食環境整備の試み. フードシステム研究 2021; 27:226-231.
DOI: https://doi.org/10.5874/jfsr.27.4_226
備考:項目No.3のほか,品揃え(項目No.15),価格(項目No.16)にも該当する.
要素:メニュー表への表示
2)* 2023年3月~4月,18歳以上のオランダ人を対象に,オンライン上にてレストランメニューに関する3つのナッジの検証が行われた.オンライン実験では,513人の参加者を4つの条件:①ナッジなし,②快楽的なラベル(ベジタリアンオプションを「職人仕込み」と提示),③シェフのおすすめ(ベジタリアンオプションを「シェフのお気に入り」と提示),④目立たせるナッジ(ベジタリアンオプションを枠で囲む)に割り当て,各条件でメニュー表に4つの選択肢(うち1つがベジタリアン)を提示した.参加者はメニューを1つ選び,その後,その食事の「美味しさ」と「満足感」を評価した.さらに,どのナッジが使用されたかを明らかにした上で,参加者がそれをどう受け止めたかを尋ねた.その結果,「快楽的なラベル」と「シェフのおすすめ」のナッジが,ベジタリアンメニューの選択を増加させることが示された.なお,「快楽的なラベル」は,食事の満足感の評価を向上させたが,美味しさの評価には影響を与えなかった.さらに,ナッジは概ね受け入れられ,参加者が(仮想)レストランに再訪する意図も高いことが示された.
Weijers RJ, et al. Nudging towards sustainable dining: Exploring menu nudges to promote vegetarian meal choices in restaurants. Appetite 2024; 198: 107376.
項目6.管理栄養士・栄養士がスマートミールの作成・確認に関与している
要素:管理栄養士・栄養士の関与
参考1)
・食事療法の実践にあたって,管理栄養士による指導が有効である.
・管理栄養士による指導は,医師や他の医療スタッフによる指導に比べて,体重減少,HbA1cの改善,血中LDL-Cの低下において,いずれも有意な改善を認めたとしている.
「糖尿病診療ガイドライン2019」より
Møller G, et al. A systematic review and meta-analysis of nutrition therapy compared with dietary advice in patients with type 2 diabetes. Am J Clin Nutr. 2017;106:1394-1400.
備考:システマティックレビュー
参考2)
・食事療法の実践にあたって,管理栄養士による指導が有効である.
・管理栄養士の指導によって,総エネルギー摂取量の適正化,栄養素バランスの是正が期待できる.
「糖尿病診療ガイドライン2019」より
Huang MC, et al. Prospective randomized controlled trial to evaluate effectiveness of registered dietitian-led diabetes management on glycemic and diet control in a primary care setting in Taiwan. Diabetes Care. 2010;33:233-239.
備考:RCT
項目7.店内禁煙である
要素:受動喫煙の防止
1)* 受動喫煙による健康影響について安全域はなく,受動喫煙との関係が確実と判定された肺がん,脳卒中,心筋梗塞,乳幼児突然死症候群に限っても,年間15,000人が死亡すると推定されている.
厚生労働省 喫煙の健康影響に関する検討会編: 喫煙と健康. 喫煙の健康影響に関する検討会報告書, 平成28年8月.
2) 法律によって屋内の喫煙が禁止された国々では,心筋梗塞などの心疾患,脳卒中,COPD や喘息などの呼吸器疾患が約20-40%減少することが45 論文のメタ解析により報告されている. その効果は,禁煙化の範囲がレストラン,居酒屋・バーを含む国の方がそうでない国よりも大きいことも明らかになっている.
Tan CE, et al: Association between smoke-free legislation and hospitalizations for cardiac, cerebrovascular, and respiratory diseases: a meta-analysis. Circulation 2012; 126: 2177-2183.
3) また,法律によって屋内の喫煙が禁止されることにより,早産や子どもの喘息の入院が減少することも,11 論文のメタ解析により報告されている.
Been JV, et al: Effect of smoke-free legislation on perinatal and child health: a systematic review and meta-analysis. Lancet 2014; 383, 1549–1560.
4) 37研究をまとめたシステマティックレビューにおいて,建物内が全面禁煙化されることで,禁煙する人が増えることが報告されている.
Hopkins DP, et al: Smokefree policies to reduce tobacco use, A systematic review. Am J Prev Med 2010; 38: s275-s289.
5)* 愛知県全域の飲食店8,558店舗を対象とした横断研究において,禁煙化による顧客数や売り上げ減少などの影響は少ないことが報告されている.
宇佐美毅, 他: 飲食店における受動喫煙防止対策の実態と禁煙化による経営への影響についての考察. 日本公衆衛生雑誌 2012; 59: 440-446.
6)* 飲食店の全客席の禁煙化が営業収入に与える影響について,全国で営業されている単一ブランドのチェーンレストランの 5 年間の営業収入を分析した結果,客席を全面禁煙することにより営業収入が有意に増加するが,分煙化では有意な増加は認められないことが報告されている.
大和浩, 他: 某ファミリーレストラングループにおける客席禁煙化前後の営業収入の相対変化-未改装店,分煙店の相対変化との比較. 日本公衆衛生雑誌 2014; 61: 130-135.
7) 法律による公共の場所での喫煙の禁止は,受動喫煙の減少による循環器疾患リスク低減に寄与することが21ヵ国からの研究に基づくコクランレビューで報告されている.
Frazer K, et al. Legislative smoking bans for reducing harms from secondhand smoke exposure, smoking prevalence and tobacco consumption. Cochrane Database of Systematic Reviews 2016, Issue 2. Art. No.: CD005992.
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD005992.pub3/full
8)* 都道府県別に「食べログ」「Retty」「ぐるなび」に掲載の飲食店の禁煙割合と有訴者率・通院者率・医療費・死亡率との関係について検討した結果, 禁煙割合は医療費と有意な負の相関が認められ,飲食店のジャンル別では,「カフェ・喫茶」「バー・お酒」,「レストラン」のいずれの店舗においても,禁煙割合と医療費とに負の相関が認められた.さらに,禁煙割合は主に脳血管疾患,脳梗塞,肺炎と負の相関が認められ,男性より女性での負の相関が強いことが報告されている.
川村 晃右, 他: 飲食店における禁煙実施状況と有訴者率・通院者率・医療費・死亡率との関係:都道府県別の資料による検討, 日本衛生学雑誌, 2019, 74: 1-7.
参考1)*
・2020年4月に改正健康増進法と東京都受動喫煙防止条例が施行された.現行の法律や条例では,客席での喫煙が引き続き可能な飲食店(既存特定飲食提供施設)が存在するため,飲食店の禁煙化に地域差が生じる懸念がある.既存特定飲食提供施設を対象として,法律や条例施行前の飲食店の屋内客席喫煙ルールと施行後のルール変更に関する意向を把握し,法律や条例制定による屋内客席喫煙ルールへの影響を東京都,大阪府,青森県の20市区町村において検討した結果,法律や条例施行後に全面禁煙となる予定の店舗は,東京都で46.6%(55/118),大阪府で49.6%(113/228),青森県で48.6%(125/257)であると報告されている.
片岡 葵, 他: 受動喫煙対策に関する法律・条例施行に伴う既存特定飲食提供施設の屋内客席喫煙ルールの現状および変更意向に関する調査, 日本公衆衛生雑誌,2021;68:682-694.
参考2)*
・他人のたばこの煙を避ける.
・受動喫煙により,がん,循環器病,高血圧,糖尿病,呼吸器疾患のリスクが増加する.
・妊婦の受動喫煙により,妊娠中・産褥期のうつ,早産,子どもの発達遅延のリスクが増加する可能性がある.
・子どもの受動喫煙により,乳幼児突然死症候群や呼吸器疾患のリスクが増加する.また,家庭内で受動喫煙を受けた子どもは,将来喫煙しやすいことも指摘されている.
・加熱式たばこも吸わない,煙も避ける.
・WHOは,たばこ葉を含む全てのたばこ製品は有害であるとの原則から,健康影響が不確かな現状においても,加熱式たばこを規制の対象にすべきとの見解を示している.
「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より
国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
オプション項目
項目8.スマートミールの主食が週3日以上,精製度の低い穀類である
要素:穀類
1) 45件の前向きコホート研究をまとめたメタ解析において,未精製穀類の摂取が多いほど冠動脈疾患リスクが低いことが報告されている.
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「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
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Aune D, et al: Whole grain consumption and risk of cardiovascular disease, cancer, and all cause and cause specific mortality: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective studies. BMJ. 2016; 353: i2716.
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2)* 19-68歳の血圧正常な男女944名を対象に,玄米など,糠を除去していない全粒穀物の摂取頻度と3年後の高血圧発症との関連を前向きコホート研究において検討した結果,全粒穀類を時々またはいつも摂取する群は,全く食べない群に比べ,高血圧発症のリスクが低いことが報告されている.
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Kashino I. et al.: Prospective Association between Whole Grain Consumption and Hypertension: The Furukawa Nutrition and Health Study. Nutrients. 2020;12:902.
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3)* 世界195ヵ国のデータを用いて,食事関連リスク要因とそれらに起因する世界の推計過剰死亡者数が推計された結果,日本を含む東アジアでは,食塩摂取過剰,次いで,精製度の低い穀類が少ないこと,次いで果物の摂取不足が食事関連リスク要因として挙げられている.(再掲)
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GBD 2017 Diet Collaborators. Health effects of dietary risks in 195 countries, 1990-2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet 2019; 393: 1958-73
備考:No.1 「スマートミール(基準に合った食事)を提供している」の「食塩相当量の参考文献1)」日本語解説を参照
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4)* 日本人の研究を含む22のRCTのメタ解析により,精製穀類を全粒穀物に置き換えた際,血清総コレステロール値,LDLーコレステロール値,ヘモグロビンA1c値及びCRP値が低下することが報告されている.
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Marshall S, et al. The Effect of Replacing Refined Grains with Whole Grains on Cardiovascular Risk Factors: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials with GRADE Clinical Recommendation. J Acad Nutr Diet. 2020;120:1859-1883.e31.
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5)* 世界の疾病負荷研究2019(GBD 2019)のデータを用いて,日本における健康リスク因子別の死亡及び障害調整生存年数(DALYs)の寄与割合を推計した結果,喫煙,代謝系,アルコールに次いで,食塩摂取過剰,精製度の低い穀類の低摂取,果物の摂取不足がリスク要因として挙げられている.(再掲)
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Nomura S et al. Toward a third term of Health Japan 21 - implications from the rise in non-communicable disease burden and highly preventable risk factors. Lancet Reg Health West Pac. 2022;21:100377.
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6)* 全粒穀類46件,精製穀類22件の前向き研究のメタ解析により,精製穀類は明らかな関連は示されなかったものの,全粒穀類の摂取が多い者は冠状動脈性心疾患,循環器疾患の発症及び総死亡のリスクが低いことが報告されている.
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Schulze MB, et al: Fiber and magnesium intake and incidence of type 2 diabetes: a prospective study and meta-analysis. Arch Intern Med. 2007; 167: 956-965.
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項目10.スマートミールの主食量を,選択または調整することができることがメニュー選択時にわかる
要素:主食(炭水化物)
1) 肥満者男女148名において,低糖質食と低脂質食による1年間の介入を行ったところ,エネルギー摂取量に群間差はなかったものの,低糖質食群では低脂質食群に比べて体重減少量が大きく,内臓脂肪の減少率も高いことが報告されている.
「肥満症診療ガイドライン2016」より
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Bazzano LA, et al: Effects of low-carbohydrate and low-fat diets: a randomized trial. Ann Intern Med. 2014; 161: 309-318.
備考:※主食(炭水化物全体)の生活習慣病の発症との関連については,統一された見解が得られていない. (DRIs2020)
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項目11.スマートミールの主菜の主材料として,週3日以上,魚を提供している
要素:魚
1)* 日本を含む4か国の栄養と血圧に関する国際共同研究(INTERMAP)に参加した40-59歳男女を対象とした横断研究において,魚由来のn3多価不飽和脂肪酸の摂取量が多い者は血圧が低い傾向にあることが報告されている.
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Ueshima H, et al: Food omega-3 fatty acid intake of individuals (total, linolenic acid, long-chain)and their blood pressure: INTERMAP study. Hypertension 2007; 50: 313-319.
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2)* 41,578人の40-59歳男女を対象とした日本の前向きコホート研究では,魚摂取量の最も少ない群に比べてその他の群ではいずれも心筋梗塞の発症リスクが下がることが報告されている.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
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Iso H, et al: Intake of fish and n3 fatty acids and risk of coronary heart disease among Japanese: the Japan Public Health Center-Based (JPHC) Study Cohort I. Circulation 2006; 113: 195-202.
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3)* 57,972人の男女を対象とした日本の前向きコホート研究では,魚摂取の多い群で心血管疾患死亡率が少ないことが報告されている.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
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Yamagishi K, et al: Fish, omega-3 polyunsaturated fatty acids, and mortality from cardiovascular diseases in a nationwide community-based cohort of Japanese men and women the JACC (Japan Collaborative Cohort Study for Evaluation of Cancer Risk) Study. J Am Coll Cardiol 2008; 52: 988-996.
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4)* 9,190人の日本人男女を対象とした日本の前向きコホート研究では,魚摂取の多い群で心血管疾患死亡率が少ないことが報告されている.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
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Miyagawa N, et al: Long-chain n-3 polyunsaturated fatty acids intake and cardiovascular diseasemortality risk in Japanese: a 24-year follow-up of NIPPON DATA80.Atherosclerosis 2014; 232: 384-389.
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5) 53,163人を対象としたデンマークの前向きコホート研究において,赤肉を魚に置換することで,糖尿病の発症リスクが低下した.
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Ibsen, D.B., et al.: Substitution of red meat with poultry or fish and risk of type 2 diabetes: a Danish cohort study. Eur J Nutr 2018; [Epub ahead of print]
備考:デンマークの同じコホート研究からの報告(Danish Diet, Cancer and Health study)
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6) 57,053人を対象としたデンマークの前向きコホート研究において,赤肉を魚に置換することで,大動脈アテローム性動脈硬化症の発症リスクが低下した.
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Venø SK, et al.: Substitution of Fish for Red Meat or Poultry and Risk
of Ischemic Stroke. Nutrients. 2018; 10: 1648.
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7) 55,171人を対象としたデンマークの前向きコホート研究において,赤肉を魚に置換することで,心筋梗塞の発症リスクが低下した.
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Würtz AML, et al.: Substitutions of red meat, poultry and fish and risk of myocardial infarction. Br J Nutr. 2016; 115: 1571–1578.
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8)* 11の前向き研究に基づくシステマティックレビューにおいて,アジアでは直線的な魚摂取増加により心筋梗塞リスクが低下した.
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Jayedi A. et al. Fish consumption and risk of myocardial infarction: a systematic review and dose-response meta-analysis suggests a regional difference. Nutr Res. 2019;62:1-12.
備考:文献1)と2)を含むシステマティックレビュー
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9)* 日本人を対象とした前向きコホート研究を対象としたナラティブレビューにおいて,魚及び長鎖n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取の多い群で非感染性疾患,特に心血管疾患リスクが低いことが報告されている.
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Umesawa M, et al. Intake of fish and long-chain n-3 polyunsaturated fatty acids and risk of diseases in a Japanese population: a narrative review. Eur J Clin Nutr. 2021 ;75:902-920.
備考:文献1)2)3)4)を含むナラティブレビュー
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10)* ノルウェーの65歳以上の高齢者4,350人を対象とした前向き研究において,週4日以上の魚の摂取により8年後のプレフレイル発症リスクが低下した.さらに,21年間継続して魚を高頻度に摂取することで,長期間のプレフレイル発症リスクを低減した.
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Konglevoll DM, et al. Fish intake and pre-frailty in Norwegian older adults - a prospective cohort study: the Tromsø Study 1994-2016. BMC Geriatr. 20235;23:411.
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11)* 12件の前向きコホート研究をまとめたメタ解析において,魚の摂取量が最も多い群において総死亡リスクが低く,非線形的な関連がみられた.
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Zhao LG, et al. Fish consumption and all-cause mortality: a meta-analysis of cohort studies. Eur J Clin Nutr. 2016;70:155-61.
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参考1)* ・魚を多く摂取する.
・魚を多く摂取することにより,循環器病予防につながる.
・妊婦は魚介類を多く摂ることにより,妊娠高血圧症候群,早産予防につながる. ・妊婦では極端に偏った魚介類の摂取による水銀摂取に一定の注意が必要である. 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より |
国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
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項目12. スマートミールの主菜の主材料として,週3日以上,大豆・大豆製品を提供している
要素:大豆・大豆製品
1)* 40-59歳の男女40,462人を対象とした日本のコホート研究では,大豆の摂取頻度が高いと女性で脳梗塞発症リスクと心筋梗塞のリスクが低いことが報告されている.
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「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
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Kokubo Y, et al: Association of dietary intake of soy, beans, and isoflavones with risk of cerebral and myocardial infarctions in Japanese populations: the Japan Public Health Center-based (JPHC) study cohort I. Circulation 2007; 116: 2553-2562.
同コホート研究からの報告(JPHC study)
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2)* 40-69歳の男性926人,女性3,239人を対象とした日本のコホート研究において,みそや納豆などの発酵性大豆製品の摂取量が多いと高血圧発症リスクが低いことが報告されている.
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Nozue M, et al.; Fermented Soy Product Intake Is Inversely Associated with the Development of High Blood Pressure: The Japan Public Health Center-Based Prospective Study. J Nutr. 2017; 147:1749-1756.
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3)* 日本を中心とした7件の前向き研究に基づくシステマティックレビューにおいて,大豆摂取と総死亡及び循環器疾患・がんによる死亡との統計学的に有意な関連はみられなかったものの,発酵性大豆製品の摂取量と循環器疾患リスク低下との関連が報告されている.
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Namazi N. et al. Soy product consumption and the risk of all-cause, cardiovascular and cancer mortality: a systematic review and meta-analysis of cohort studies. Food Funct. 2018;9:2576-2588.
備考:文献1)を含むシステマティックレビュー
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4)* 92,915人の45-74歳男女を対象とした日本の前向きコホート研究において,発酵性大豆食品,特に納豆の摂取が多いと総死亡リスク及び心血管死亡リスクが低いことが報告されている.
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Katagiri R. et al. Association of soy and fermented soy product intake with total and cause specific mortality: prospective cohort study. BMJ. 2020;368:m34.
備考:同コホート研究からの報告(JPHC study)
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5) 40-69歳の韓国人女性4713人を対象とした前向きコホート研究において,閉経前女性において,大豆製品摂取量及び大豆イソフラボン摂取量が多いと循環器疾患リスクが低いことが報告されている.
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Im J, Park K. Association between Soy Food and Dietary Soy Isoflavone Intake and the Risk of Cardiovascular Disease in Women: A Prospective Cohort Study in Korea. Nutrients. 2021; 22;13:1407.
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6)* 日本人を含む81の前向き研究に基づくシステマティックレビュー・メタ解析において,大豆の高摂取ががん発症リスク低下と関連し,25g大豆摂取量が増えるごとに4%リスクが低下していた.大豆イソフラボンもがん発症リスク低下との関連がみられたが,大豆たんぱく質は関連がみられなかった.しかしながら,いずれもがん死亡との関連は示されなかった.
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Fan Y, et al. Intake of Soy, Soy Isoflavones and Soy Protein and Risk of Cancer Incidence and Mortality. Front Nutr. 2022;9:847421.
備考:文献1)2)4)を含むシステマティックレビュー
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参考1) ・大豆製品を多く摂取する.・大豆製品を多く摂ることにより,脂質異常症の改善,循環器病予防につながる.発酵性大豆食品を多く摂取することにより,早死,血圧高値やがんの予防につながる.
・大豆製品を多く摂ることにより,妊娠中の脂質異常症やインスリン抵抗性,うつ症状の改善につながる可能性がある.子どもが大豆製品を多く摂ることにより,成人以降の乳がん予防につながる可能性が示されてる.
・大豆イソフラボンのサプリメント摂取には注意が必要である.
「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より
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国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
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項目13. スマートミールに,栄養成分表示(エネルギー,たんぱく質,脂質,炭水化物,食塩相当量)を示している
要素:栄養成分表示
1)* 栄養表示利用行動と健康・栄養状態との関連についての海外文献9件,国内文献9件をまとめた系統的レビューにおいて,健康・栄養状態に問題のある者の方が栄養表示をよく利用していることが報告されている.
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西尾素子, 他: 栄養表示利用行動と健康・栄養状態との関連についての系統的レビュー. 日健教誌. 2015; 23: 109-122.
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2)* 20-69歳男女742人を対象とした横断研究において,健康な成人では,食品ラベルのナトリウム表示をみて食品を購入すると回答した女性は,他の女性よりも尿中ナトリウム排泄量が低い傾向にあることが報告されている.
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Uechi K, et al: Simple questions in salt intake behavior assessment: comparison with urinary sodium excretion in Japanese adults.Asia Pac J Clin Nutr 2017; 26: 769-780.
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3)* 683人の一般の成人を対象としたアンケート調査結果を用いた横断研究において,食品ラベルのナトリウム量を正しく食塩量に換算できる人は約8人に1人であったことから,食品ラベルへの食塩相当量の表示が必要であると示唆された.
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Okuda N, et al.; Understanding of sodium content labeled on food packages by Japanese people. Hypertens Res. 2014; 37: 467-71.
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項目14. スマートミールの栄養成分表示に,飽和脂肪酸の量を示している
要素:飽和脂肪酸
1) 飽和脂肪酸の摂取量は,糖尿病の発症リスクになり,多価不飽和脂肪酸がこれを低減するとしており,動物性脂質(飽和脂肪酸)の相対的な増加が,糖尿病発症リスクになるものと考えられる.「糖尿病診療ガイドライン(2019)」より
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Wang L, et al: Plasma fatty acid composition and incidence of diabetes in middle-aged adults: the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) Study. Am J Clin Nutr 2003; 78: 91-98.
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2) 20-69歳男女742人を対象とした横断研究において,健康な成人では,食品ラベルのナトリウム表示をみて食品を購入すると回答した女性は,他の女性よりも尿中ナトリウム排泄量が低い傾向にあることが報告されている.
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Hodge AM, et al: Plasma phospholipid and dietary fatty acids as predictors of type 2 diabetes:interpreting the role of linoleic acid. Am J Clin Nutr 2007; 86: 189-197.
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3)
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Hodge AM, et al: Plasma phospholipid and dietary fatty acids as predictors of type 2 diabetes:interpreting the role of linoleic acid. Am J Clin Nutr 2007; 86: 189-197.
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4)
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Guasch-Ferré M, et al. Total and subtypes of dietary fat intake and risk of type 2 diabetes mellitus in the Prevención con Dieta Mediterránea (PREDIMED) study. Am J Clin Nutr. 2017;105:723-735.
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5) 15件のRCTをまとめたシステマティックレビュー(コクラン)では,適正な総エネルギー摂取量のもので飽和脂肪酸を減らすこと,または飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸に置換することは血清脂質の改善に有効で,冠動脈疾患発症の予防にも有効であることが報告されている.「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
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Hooper L, et al: Reduction in saturated fat intake for cardiovascular disease. Cochrane Database Syst Rev 2015; 10: CD011737.
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6)* 日本人の食事摂取基準(2020年版) 目標量 7%エネルギー―以下.
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厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2020年版)
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7) 2010年以降の研究を対象にアップデートしたシステマティックレビューによると,飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸,もしくは全粒穀類に置き換えることで,冠動脈疾患発症・死亡リスクが低下することが報告されている.特に,多価不飽和脂肪酸に置き換えた場合に顕著である.
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Clifton P.M. et al. A systematic review of the effect of dietary saturated and polyunsaturated fat on heart disease. Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2017;27:1060-1080.
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8) 日本の研究を含む14件の前向きコホート研究をまとめたメタ解析において,飽和脂肪酸の摂取量が多いほど脳卒中リスクが低下し,10g/日摂取量が増加するほどリスクが6%低下することが報告されている.
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Kang ZQ, et al. Dietary saturated fat intake and risk of stroke: Systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2020;10:179-189.
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参考1)*
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・年齢に応じて脂質や乳製品,たんぱく質摂取を工夫する.・脂質(飽和脂肪酸)を摂りすぎないことは動脈硬化・虚血性心疾患の予防に有効であることが期待される.一方で,飽和脂肪酸の摂取を推奨する介入研究からのエビデンスはないが,飽和脂肪酸が不足すると脳卒中リスクが増加する可能性は否定できない.高齢者では低栄養予防の観点から適度な脂質摂取が好ましい場合がある.
「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より -
国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
項目15. スマートミールが1日2種以上ある
要素:商品の品ぞろえ
1)* 2019年4月~8月,東京都内の病院内コンビニエンスストア1店舗において,複数のナッジを組み合わせた取り組みを実施し,介入前と比べた売り上げの変化を把握した.研究デザインは,前後比較デザインとした. 商品の品揃えとして,「ヘルシーセット」を曜日ごとに内容を変えて販売,飲料コーナーの加糖飲料の販売割合を50%未満に,カップ麺コーナーでは1食4g以下の商品を増やした.その他,商品の配置,情報の提供,価格の配慮(インセンティブ)を実施した.その結果,介入期間中の売上(前年同月比)は,総売上,サラダ類,無糖飲料,弁当類,パスタ類が有意に増加し,加糖飲料,おにぎり,パン類が有意に減少した.カップ麺類の食塩含有量別販売構成比は,介入開始後,含有量の少ない商品割合が有意に増加した.
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川畑 輝子, 他. 医療施設内コンビニエンスストアにおけるナッジを活用した食環境整備の試み. フードシステム研究 2021; 27(4): 226-231.
備考:項目No.3の表示及びプロモーションとインセンティブ(項目No.16)にも該当する.
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2) 2020年7月,米国在住の成人377名を3つの異なるシナリオに無作為に割り付け,実験を行った.シナリオは, ファストフードのドライブスルーでコンボミールを注文する設定で,(1)顧客が選択したコンボ(選択コンボ),(2)従来の高カロリーデフォルト商品を含むコンボ(従来のコンボ),(3)低カロリー最適デフォルト商品を含むコンボ(最適コンボ食)のいずれかに割り当てた.その結果,選択コンボ食と比較して,最適コンボ食では顧客が注文するエネルギーが減少した(-337kcal,標準誤差=19,P<0.001)が,従来コンボ食では増加した(+132kcal,標準誤差=20,P<0.001).
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Diaz-Beltran M, et al. Fast-food optimal defaults reduce calories ordered, as well as dietary autonomy: A scenario-based experiment. J Acad Nutr Diet 2023; 123(1): 65-76.
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項目16. スマートミールを選択するためのインセンティブがある
要素:値引き
1)* 東京都足立区が同区内26のを1週間実施した.研究デザインは,単群のクロスオーバー試験とした.野菜増量メニューの注文割合は,キャンペーン前の1週間(対照期間)では6.8%,キャンペーン期間中は9.0%であった.気温や天候といった要因の影響を除いても,対照期間に比べてキャンペーン期間中の1日当たりの野菜増量メニューの注文者の割合は1.50倍,1日当たりの飲食店の売り上げは50円引きの負担を差し引いても1.77倍になった.普段の外食時の平均昼食代が最も少ないグループにおいて,キャンペーン期間の野菜増量メニューの注文者割合が増加した.
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Nagatomo W., et al. Effectiveness of a low-value financial-incentive program for increasing vegetable-rich restaurant meal selection and reducing socioeconomic inequality: a cluster crossover trial. Int J Behav Nutr Phys Act 2019; 16: 81.
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2)* 2019年4月~8月,東京都内の病院内コンビニエンスストア1店舗において,複数のナッジを組み合わせた取り組みを実施し,介入前と比べた売り上げの変化を把握した.インセンティブとして,「ヘルシーセット」を職員限定価格で販売した.その他,品揃え,商品の配置,情報の提供を実施した.その結果,介入期間中の売上(前年同月比)は,総売上,サラダ類,無糖飲料,弁当類,パスタ類が有意に増加し,加糖飲料,おにぎり,パン類が有意に減少した.カップ麺類の食塩含有量別販売構成比は,介入開始後,含有量の少ない商品割合が有意に増加した.
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川畑 輝子, 他. 医療施設内コンビニエンスストアにおけるナッジを活用した食環境整備の試み. フードシステム研究 2021; 27(4): 226-231.
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3) 2014年4月までにPubmedなど複数のデータベースに登録された論文を対象に,様々なタイプの店頭介入(Point-of-Purchase:POS)の効果について検討されたシステマティックレビューによると,最終的に該当した32件中,金銭的インセンティブ単独の介入の効果を検証した論文は4件であった.その結果,適切な金銭的インセンティブが顧客に提供された場合,短期介入ではあるが,より健康的な食品の購入および/または摂取を増加させるのに効果的であることが示唆された.ただし,長期的な介入研究や主要アウトカムに影響を及ぼす可能性のある媒介因子についての研究が不十分であった.
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Liberato, S.C., et al. Bailie, R. & Brimblecombe, J. Nutrition interventions at point-of-sale to encourage healthier food purchasing: a systematic review. BMC Public Health 2014; 14: 919.
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4) 2020年4月に6つのデータベースを用いたシステマティックレビューを実施した.36件の研究が質的統合に含まれ,30件の研究がメタアナリシスに含まれ,72の店舗内介入の組み合わせに相当した.店舗内介入の効果量に関する分析の結果,価格設定,および価格設定とプロモーションやプロンプティングの組み合わせが,購買行動に効果的に影響を与えたことが示された.介入は,健康的な商品と不健康な商品の両方の売上に有意な影響を与え,果物と野菜,健康的な飲料,健康的な商品の総量の売上を有意に増加させた.しかし,全体的なエビデンスの質が比較的低いこと,介入の種類によっては研究数や観察数が少ないことが課題である.
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Slapø H, et al. Efficiency of In-Store Interventions to Impact Customers to Purchase Healthier Food and Beverage Products in Real-Life Grocery Stores: A Systematic Review and Meta-Analysis. Foods. 2021; 10(5): 922.
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5) 本研究は,健康的な食品(果物や野菜を含む)の価格引き下げによる食品の購入および消費への影響を評価することを目的に,システマティックレビューとメタアナリシスを実施した.電子データベース(MEDLINE,EconLit,Embase,Cinahl,Cochrane Library,Web of Science)を用いて2013年1月1日から2021年12月20日までに発表された関連研究を言語の制限なく検索した.また,参考文献のハンドサーチを行った.最終的に,対象となった研究は34件で,そのうち15件は高所得国のスーパーマーケットで実施され,8件は職場の食堂で実施された.また,21件は社会経済的に不利なコミュニティを対象としていた.14件の研究のメタアナリシスによると,価格が20%引き下げられると,果物と野菜の購入量は16.62%増加(95% CI 12.32~20.91)した.ただし,6カ月以上にわたって価格の引き下げを実施した研究はわずかであった.
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Huangfu P, et al. Impact of price reductions, subsidies, or financial incentives on healthy food purchases and consumption: a systematic review and meta-analysis. Lancet Planet Health 2024; 8(3): e197 - e212.
システマティックレビュー,メタアナリシス
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項目17.メニューに漬物や汁物をつけないことができ.メニュー選択時にわかるように表示している
要素:食塩
1)* 健康な20-69歳男性196人,女性196人を対象とした横断研究において,総ナトリウム摂取量(不連続4日間の食事記録より)に対し寄与率の高い食品群は,1番目が調味料(男性61.7%,女性62.9%),2番目が魚介類(干物/缶詰含む)(男性6.7%,女性6.6%),3番目は男性で麵類(4.9%),女性でパン類(5.0%)であった.
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Asakura K, et al: Sodium sources in the Japanese diet: difference between generations and sexes. Public Health Nutr 2016; 19: 2011-2023.
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2)* 国民健康・栄養調査結果に基づき,食塩摂取源となっている食品のランキングをした結果,カップ麺,インスタントラーメンに次いで,梅干し,漬物がランクインした.
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医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部. 日本人はどんな食品から食塩をとっているか?―国民健康・栄養調査での摂取実態の解析から―. (Webページ)
備考:国民健康・栄養調査結果をまとめた食塩摂取源食品ランキング(Webページ)
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項目18. ソースやマヨネーズなとの調味料を別添えで提供している
要素:食塩
1)* 40-59歳の日本人4680名を対象とした横断研究において,総ナトリウム摂取量(不連続4日間の24時間思い出し法より)に対し寄与率の高い食品群は,1番目が調味料(醤油20%,食塩9%,ソース等その他の調味料4%),2番目が味噌汁10%であった.
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Anderson CA, et al: Dietary sources of sodium in China, Japan, the United Kingdom, and the United States, women and men aged 40 to 59 years: the INTERMAP study. J Am Diet Assoc 2010; 110: 736-45.
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2) UK Biobank参加者50万例を対象に食事への食塩追加頻度と早期死亡リスクおよび平均余命の関係を前向きコホート研究において検討した結果,食塩追加頻度の高い者ほど早期死亡リスクが高く,平均余命が短かった.
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Ma H, et al. Adding salt to foods and hazard of premature mortality. Eur Heart J. 2022;43:2878-2888.
備考:野菜及び果物の摂取量による層別解析の結果は,項目No.19「野菜」と項目No.21「果物」に記載
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項目19. 野菜70g以上のメニューを提供している(サラダバーを含む)
要素:野菜
1)* 9112人を対象とした前向きコホート研究において,野菜の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性が報告されている.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より |
Okuda N, et al: Fruit and vegetable intake and mortality from cardiovascular disease in Japan: a 24-year follow-up of the NIPPON DATA80 Study. Eur J Clin Nutr 2015; 69: 482-488.
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2)* 40,349人の男女を対象とした前向きコホート研究において,緑黄色野菜の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性が報告されている.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
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Sauvaget C, et al: Vegetable and fruit intake and stroke mortality in the Hiroshima/Nagasaki Life Span Study. Stroke 2003; 34: 2355-2360.
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3)* 食事パターンと心血管疾患死亡リスクとの関連について,40-79歳の一般住民男性26,598人,女性37,439人を対象とした大規模前向きコホート研究における検討を行った結果,3つの主要な食事パターン(野菜型,動物性食品型,乳製品型)が見出され,「野菜型」および「乳製品型」の食事パターンに近いことがそれぞれ心血管疾患死亡リスクの低下と関連していることが報告されている.
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Maruyama K, et al: Dietary patterns and risk of cardiovascular deaths among middle-aged Japanese: JACC Study. Nutr Metab Cardiovasc Dis 2013; 23: 519-527.
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4)* 日本の複数のコホート研究より,野菜の高摂取に特徴づけられる食事パターンとがん,循環器疾患,糖尿病リスク低下との関連が報告されている.
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農林水産省. 「食育」ってどんないいことがあるの?. P11
備考:システマティックレビューに基づくパンフレット
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5)* 食事バランスガイドに沿った人ほど循環器疾患死亡リスクが低いという関連は,特に副菜の摂取量が多い人で顕著であることが,45-75歳の男性36,624人,女性42,970人を対象とした前向きコホート研究において報告されている.
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Kurotani K, et al.: Quality of diet and mortality among Japanese men and women: Japan Public Health Center based prospective study. BMJ 2016; 352: i1209.
備考:食事バランスガイドに沿った食事については,縦断研究に限定
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6)* 成人における野菜摂取と総死亡及び死因別死亡との関連を調べた16件の前向きコホート研究をまとめたシステマティックレビューでは,野菜摂取量の多い人ほど,総死亡及び循環器疾患による死亡リスクが低いことが報告されている.なお,アジアにおける研究に限定すると,明らかな関連は見られなかった.
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Wang X, Ouyang Y, Liu J, et al. Fruit and vegetable consumption and mortality from all causes, cardiovascular disease, and cancer: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. BMJ. 2014;349:g4490.
項目No.21の文献3)を含むシステマティックレビュー
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8) UK Biobank参加者50万例を対象に食事への食塩追加頻度と早期死亡リスクおよび平均余命の関係を検討した結果,食塩追加頻度の高い者ほど早期死亡リスクが高かったが,野菜摂取量の多い群では食塩追加による死亡リスク増加が抑制された.
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Ma H, et al. Adding salt to foods and hazard of premature mortality. Eur Heart J. 2022;43:2878-2888.
備考:項目No.18の文献2)の層別解析
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10)* 94,658人の日本人男女を対象とした前向きコホート研究において,野菜摂取量の多い者ほど総死亡のリスクが低いことが報告されている.
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Sahashi Y, et al. Inverse Association between Fruit and Vegetable Intake and All-Cause Mortality: Japan Public Health Center-Based Prospective Study. J Nutr. 2022;6:2245-2254.
備考:項目No.21の文献10)と共通
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11)* 50~79歳の日本人42,643人を対象とした前向きコホート研究において,男性では,野菜,特にアブラナ科の野菜,女性では野菜,果物,緑色野菜とネギ類野菜の摂取量が多い者ほど認知症リスクが低いことが報告されている.さらに,ビタミンCの摂取量が多い者ほど認知症リスクが低いことが報告されている.
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Kishida R et al. Fruit and Vegetable Intake and Risk of Disabling Dementia: Japan Public Health Center Disabling Dementia Study. J Nutr. 2024;154:1842-1852.
備考:項目No.21の文献11)と共通
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7)*(留意点)
食品群別のナトリウム摂取量(不連続4日間の24時間思い出し法より)とナトリウム排泄量(24時間畜尿より)との関連は,漬物野菜及び煮もの野菜において,有意な傾向性の関連が報告されている6) ことから,野菜の調理法には注意が必要.
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Okuda N, et al: Food sources of dietary sodium in the Japanese adult population: the international study of macro-/micronutrients and blood pressure (INTERMAP). Eur J Nutr 2017; 56: 1269-1280.
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参考1)*
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・野菜,果物は適切に,食物繊維は多く摂取する.
・野菜,果物は適切に,食物繊維は多く摂取することにより,がん,循環器病,糖尿病,妊娠高血圧症候群の予防につながる
・成人では,1日に野菜350g,果物200g,食物繊維17〜21gを目標に摂取することが推奨されている. 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より |
国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
備考:項目No.21の参考文献1)と共通
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項目20, 牛乳・乳製品を提供している
要素:牛乳・乳製品
1)* 食事パターンと心血管疾患死亡リスクとの関連について,40-79歳の一般住民男性26,598人,女性37,439人を対象とした大規模前向き研究における検討を行った結果,3つの主要な食事パターン(野菜型,動物性食品型,乳製品型)が見出され,「野菜型」および「乳製品型」の食事パターンに近いことがそれぞれ心血管疾患死亡リスクの低下と関連していることが報告されている.
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Maruyama K, et al: Dietary patterns and risk of cardiovascular deaths among middle-aged Japanese: JACC Study. Nutr Metab Cardiovasc Dis 2013; 23: 519-527.
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2)* (留意点1)牛乳・乳製品は,「食事バランスガイド」において1日に2SV:牛乳に換算すると約200ml(206g)の摂取が推奨されている.
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厚生労働省・農林水産省.フードガイド(仮称)検討会報告書, 平成17年7月.
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3)* (留意点2)国民(20歳以上男女総数)の牛乳・乳製品の摂取量は,平均値 110.7g(中央値70.0g)の現状である ため,適切に摂取することが勧められる.
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厚生労働省.令和元年国民健康・栄養調査報告
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4) 27件の前向き研究に基づくメタ解析において,食事由来のカルシウムの高摂取が全死亡リスク低下と関連していた.カルシウムの平均摂取量が700mg未満及び700㎎以上の集団に分けた層別解析においても,カルシウムの高摂取が全死亡リスク低下と関連していることが示された.
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Pana TA, et al. Calcium intake, calcium supplementation and cardiovascular disease and mortality in the British population: EPIC-norfolk prospective cohort study and meta-analysis. Eur J Epidemiol. 2021;36(7):669-683.
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5)* 日本人の食事摂取基準(2020年版)では,カルシウムの不足回避の観点から,推定平均必要量と推奨量が示されている.〇推定平均必要量
男性:18歳-29歳:650㎎,30歳以上:600㎎
女性:18歳-74歳:550㎎,75歳以上:500㎎
〇推奨量
男性:18歳-29歳:800㎎,30歳以上:750㎎
女性:18歳-74歳:650㎎,75歳以上:600㎎
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厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2020年版)
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6) 7つの前向き研究に基づくメタ解析において,乳製品の高摂取が炎症性腸疾患(IBD)の発症リスク低下と関連していた.
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Talebi S, et al. The Association between Total Protein, Animal Protein, and Animal Protein Sources with Risk of Inflammatory Bowel Diseases: A Systematic Review and Meta-Analysis of Cohort Studies. Adv Nutr. 2023;14:752-761.
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7)* 43117人の男性及び50,193人の女性を対象とした前向きコホート研究において,男性では乳製品の摂取場が多いほど全死亡と循環器疾患死亡のリスクが低いことが報告されている.一方で女性は明らかな関連は認められなかった.
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Ge S, et al. Associations between dairy intake and mortality due to all-cause and cardiovascular disease: the Japan Public Health Center-based prospective study. Eur J Nutr. 2023;62:2087-2104.
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8)* 20~74歳の60,633人の男女を対象とした横断研究で,全乳摂取が1日1回以上の者は不眠症のオッズが低いことが報告されている.男女別の結果では,女性においてのみ,同様の結果が報告されている.
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Sato Y et al. The association between milk and dairy products intake and insomnia symptoms among Japanese adults in community-based cohort. Nutr Health. 2024;2601060241283133.
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参考1)
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・年齢に応じて脂質や乳製品,たんぱく質摂取を工夫する.・乳製品の摂取により,成人や高齢者では循環器病のリスクが低くなる.
・子どもでは,全乳及び乳製品を摂取していると肥満になりにくいと考えられている.
「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より
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国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
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項目21. 果物を提供している(シロップづけを除く)
要素:果物
1)* 果物の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性が,9,112人を対象とした前向きコホート研究において報告されており, 糖質含有量の少ない果物を適度に摂取することが勧められる.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
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Okuda N, et al: Fruit and vegetable intake and mortality from cardiovascular disease in Japan: a 24-year follow-up of the NIPPON DATA80 Study. Eur J Clin Nutr 2015; 69: 482-488.
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2)* 果物の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性が40,349人を対象とした前向きコホート研究において報告されており, 糖質含有量の少ない果物を適度に摂取することが勧められる.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
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Sauvaget C, et al: Vegetable and fruit intake and stroke mortality in the Hiroshima/Nagasaki Life Span Study. Stroke 2003; 34: 2355-2360.
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3)* 果物の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性が,40-79歳の男性25206人,女性34,279人を対象とした前向きコホート研究において報告されており, 糖質含有量の少ない果物を適度に摂取することが勧められる.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より |
Nagura J, et al: Fruit, vegetable and bean intake and mortality from cardiovascular disease among Japanese men and women: the JACC Study. Br J Nutr 2009; 102: 285-292.
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4) 成人における果物摂取と肥満との関連を調べた11件のRCTをまとめたシステマティックレビューでは,果物摂取と長期的な体重増加抑制との関連性が示されている.
「標準的な健診・保健指導プログラム【平成30年度版】」より
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Hebden L, et al: Fruit consumption and adiposity status in adults: A systematic review of current evidence. Crit Rev Food Sci Nutr 2017; 57: 2526-2540.
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5)*
・日本の複数のコホート研究より,果物の高摂取に特徴づけられる食事パターンとがん,循環器疾患,糖尿病リスク低下との関連が報告されている.
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農林水産省. 「食育」ってどんないいことがあるの?. P11
備考:システマティックレビューに基づくパンフレット
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6)* 成人における果物摂取と総死亡及び死因別死亡との関連を調べた16件の前向きコホート研究をまとめたメタ解析では,果物摂取量の多い人ほど,総死亡及び循環器疾患による死亡リスクが低いことが報告されている.
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Wang X, Ouyang Y, Liu J, et al. Fruit and vegetable consumption and mortality from all causes, cardiovascular disease, and cancer: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. BMJ. 2014;349:g4490.
備考:文献3)を含むシステマティックレビュー
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7)* 世界195ヵ国のデータを用いて,食事関連リスク要因とそれらに起因する世界の推計過剰死亡者数が推計された結果,日本を含む東アジアでは,食塩摂取過剰,次いで,精製度の低い穀類が少ないこと,次いで果物の摂取不足が食事関連リスク要因として挙げられている.(再掲)
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GBD 2017 Diet Collaborators. Health effects of dietary risks in 195 countries, 1990-2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet 2019; 393: 1958-73
備考:No.1 「スマートミール(基準に合った食事)を提供している」の「食塩相当量の参考文献1)」日本語解説を参照
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8)* 世界の疾病負荷研究2019(GBD 2019)のデータを用いて,日本における健康リスク因子別の死亡及び障害調整生存年数(DALYs)の寄与割合を推計した結果,喫煙,代謝系,アルコールに次いで,食塩摂取過剰,精製度の低い穀類の低摂取,果物の摂取不足がリスク要因として挙げられている.(再掲)
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Nomura S et al. Toward a third term of Health Japan 21 - implications from the rise in non-communicable disease burden and highly preventable risk factors. Lancet Reg Health West Pac. 2022;21:100377.
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9) UK Biobank参加者50万例を対象に食事への食塩追加頻度と早期死亡リスクおよび平均余命の関係を検討した結果,食塩追加頻度の高い者ほど早期死亡リスクが高かったが,果物摂取量の多い群では食塩追加による死亡リスク増加が抑制された.
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Ma H, et al. Adding salt to foods and hazard of premature mortality. Eur Heart J. 2022;43:2878-2888.
備考:項目No.18の文献2)の層別解析
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10)* ・94,658人の日本人男女を対象とした前向きコホート研究において,果物摂取量の多い者ほど総死亡,心血管死亡,呼吸器疾患死亡のリスクが低いことが報告されている.
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Sahashi Y, et al. Inverse Association between Fruit and Vegetable Intake and All-Cause Mortality: Japan Public Health Center-Based Prospective Study. J Nutr. 2022;6:2245-2254.
備考:項目No.19の文献10)と共通
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11)* 50~79歳の日本人42,643人を対象とした前向きコホート研究において,男性では,野菜,特にアブラナ科の野菜,女性では野菜,果物,緑色野菜とネギ類野菜の摂取量が多い者ほど認知症リスクが低いことが報告されている.さらに,ビタミンCの摂取量が多い者ほど認知症リスクが低いことが報告されている.
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Kishida R et al. Fruit and Vegetable Intake and Risk of Disabling Dementia: Japan Public Health Center Disabling Dementia Study. J Nutr. 2024;154:1842-1852.
備考:項目No.19の文献11)と共通
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参考1)*
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・野菜,果物は適切に,食物繊維は多く摂取する.
・野菜,果物は適切に,食物繊維は多く摂取することにより,がん,循環器病,糖尿病,妊娠高血圧症候群の予防につながる
・成人では,1日に野菜350g,果物200g,食物繊維17〜21gを目標に摂取することが推奨されている. 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より |
国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
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項目22.減塩の調味料を提供している
要素:食塩
1)* 40-59歳の男性531人,女性518人を対象とした横断研究において,食品群別のナトリウム摂取量(不連続4日間の24時間思い出し法より)とナトリウム排泄量(24時間畜尿より)との関連は,調味料(醤油,味噌)とみそ汁において,有意な傾向性の関連が報告されている.
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Okuda N, et al: Food sources of dietary sodium in the Japanese adult population: the international study of macro-/micronutrients and blood pressure (INTERMAP). Eur J Nutr 2017; 56: 1269-1280.
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2)* 35-67歳の日本人男性187人を対象としたRCTにおいて,低ナトリウム高カリウム調味料(Na: 1175mg, K: 1476mg)及び加工食品を用いた弁当とみそ汁(介入食)と通常の食塩(Na: 2243mg, K: 703mg)を用いた弁当・みそ汁(対照食)を6週間提供し,介入食の血圧への影響を検討した結果,介入食では対照食に比べ有意に血圧が低下していた.なお,低ナトリウム高カリウム調味料を用いた食事は,通常の食塩を用いた食事と同等に介入期間中摂取されていたため,減塩調味料の実現可能性が示唆された.
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Umeki Y, et al. Feasibility of Low-Sodium, High-Potassium Processed Foods and Their Effect on Blood Pressure in Free-Living Japanese Men: A Randomized, Double-Blind Controlled Trial. Nutrients. 2021;13:3497.
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3) 中国の2万995名を対象としたRCTにおいて,従来の食塩(NaCl 100%)と,代替食塩群(NaCl 75%+KCl 25%)で追跡期間中の脳卒中発症,心血管イベント及び総死亡のリスクを比較した結果,食塩の4分の1をカリウムに代替した代替食塩群においていずれのアウトカムもリスクが低く,両群間の高カリウム発症に有意差は認められなかった.
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Neal B, et al. Effect of Salt Substitution on Cardiovascular Events and Death. N Engl J Med. 2021;385:1067-1077.
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4) 中国の48箇所の介護施設居住者611人を対象とした無作為化比較試験において,通常の食塩を使用した料理を提供する群と代替塩を使用した料理を提供する群のそれぞれについて,2年後の高血圧発症率を比較した.その結果,通常塩群に比べ,代替塩群では高血圧発症リスクが40%低かった.一方で,低血圧のリスクに差は認められなかった.代替塩はナトリウム62.5%,カリウム25%,残りの12.5%はきのこやレモン,海藻などを用いた香料で構成されている.
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Zhang X et al. Effect of a Salt Substitute on Incidence of Hypertension and Hypotension Among Normotensive Adults. J Am Coll Cardiol. 2024;83:711-722.
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オプション項目
項目8.スマートミールの主食が週3日以上,精製度の低い穀類である
要素:穀類
1) ・45件の前向きコホート研究をまとめたメタ解析において,未精製穀類の摂取が多いほど冠動脈疾患リスクが低いことが報告されている.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
Aune D, et al: Whole grain consumption and risk of cardiovascular disease, cancer, and all cause and cause specific mortality: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective studies. BMJ. 2016; 353: i2716.
2)* ・19-68歳の血圧正常な男女944名を対象に,玄米など,糠を除去していない全粒穀物の摂取頻度と3年後の高血圧発症との関連を前向きコホート研究において検討した結果,全粒穀類を時々またはいつも摂取する群は,全く食べない群に比べ,高血圧発症のリスクが低いことが報告されている.
Kashino I. et al.: Prospective Association between Whole Grain Consumption and Hypertension: The Furukawa Nutrition and Health Study. Nutrients. 2020;12:902.
3)* ・世界195ヵ国のデータを用いて,食事関連リスク要因とそれらに起因する世界の推計過剰死亡者数が推計された結果,日本を含む東アジアでは,食塩摂取過剰,次いで,精製度の低い穀類が少ないこと,次いで果物の摂取不足が食事関連リスク要因として挙げられている.(再掲)
GBD 2017 Diet Collaborators. Health effects of dietary risks in 195 countries, 1990-2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet 2019; 393: 1958-73
備考:No.1 「スマートミール(基準に合った食事)を提供している」の「食塩相当量の参考文献1)」日本語解説を参照
4)* ・日本人の研究を含む22のRCTのメタ解析により,精製穀類を全粒穀物に置き換えた際,血清総コレステロール値,LDLーコレステロール値,ヘモグロビンA1c値及びCRP値が低下することが報告されている.
Marshall S, et al. The Effect of Replacing Refined Grains with Whole Grains on Cardiovascular Risk Factors: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials with GRADE Clinical Recommendation. J Acad Nutr Diet. 2020;120:1859-1883.e31.
5)* ・世界の疾病負荷研究2019(GBD 2019)のデータを用いて,日本における健康リスク因子別の死亡及び障害調整生存年数(DALYs)の寄与割合を推計した結果,喫煙,代謝系,アルコールに次いで,食塩摂取過剰,精製度の低い穀類の低摂取,果物の摂取不足がリスク要因として挙げられている.(再掲)
Nomura S et al. Toward a third term of Health Japan 21 - implications from the rise in non-communicable disease burden and highly preventable risk factors. Lancet Reg Health West Pac. 2022;21:100377.
6)* ・全粒穀類46件,精製穀類22件の前向き研究のメタ解析により,精製穀類は明らかな関連は示されなかったものの,全粒穀類の摂取が多い者は冠状動脈性心疾患,循環器疾患の発症及び総死亡のリスクが低いことが報告されている.
Schulze MB, et al: Fiber and magnesium intake and incidence of type 2 diabetes: a prospective study and meta-analysis. Arch Intern Med. 2007; 167: 956-965.
項目10.スマートミールの主食量を,選択または調整することができることがメニュー選択時にわかる
要素:主食(炭水化物)
1)・肥満者男女148名において,低糖質食と低脂質食による1年間の介入を行ったところ,エネルギー摂取量に群間差はなかったものの,低糖質食群では低脂質食群に比べて体重減少量が大きく,内臓脂肪の減少率も高いことが報告されている.
「肥満症診療ガイドライン2016」より
Bazzano LA, et al: Effects of low-carbohydrate and low-fat diets: a randomized trial. Ann Intern Med. 2014; 161: 309-318.
備考:※主食(炭水化物全体)の生活習慣病の発症との関連については,統一された見解が得られていない. (DRIs2020)
項目11.スマートミールの主菜の主材料として,週3日以上,魚を提供している
要素:魚
1)* ・日本を含む4か国の栄養と血圧に関する国際共同研究(INTERMAP)に参加した40-59歳男女を対象とした横断研究において,魚由来のn3多価不飽和脂肪酸の摂取量が多い者は血圧が低い傾向にあることが報告されている.
Ueshima H, et al: Food omega-3 fatty acid intake of individuals (total, linolenic acid, long-chain)and their blood pressure: INTERMAP study. Hypertension 2007; 50: 313-319.
2)* ・41,578人の40-59歳男女を対象とした日本の前向きコホート研究では,魚摂取量の最も少ない群に比べてその他の群ではいずれも心筋梗塞の発症リスクが下がることが報告されている.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
Iso H, et al: Intake of fish and n3 fatty acids and risk of coronary heart disease among Japanese: the Japan Public Health Center-Based (JPHC) Study Cohort I. Circulation 2006; 113: 195-202.
3)* ・57,972人の男女を対象とした日本の前向きコホート研究では,魚摂取の多い群で心血管疾患死亡率が少ないことが報告されている.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
Yamagishi K, et al: Fish, omega-3 polyunsaturated fatty acids, and mortality from cardiovascular diseases in a nationwide community-based cohort of Japanese men and women the JACC (Japan Collaborative Cohort Study for Evaluation of Cancer Risk) Study. J Am Coll Cardiol 2008; 52: 988-996.
4)* ・9,190人の日本人男女を対象とした日本の前向きコホート研究では,魚摂取の多い群で心血管疾患死亡率が少ないことが報告されている.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
Miyagawa N, et al: Long-chain n-3 polyunsaturated fatty acids intake and cardiovascular diseasemortality risk in Japanese: a 24-year follow-up of NIPPON DATA80.Atherosclerosis 2014; 232: 384-389.
5) ・53,163人を対象としたデンマークの前向きコホート研究において,赤肉を魚に置換することで,糖尿病の発症リスクが低下した.
Ibsen, D.B., et al.: Substitution of red meat with poultry or fish and risk of type 2 diabetes: a Danish cohort study. Eur J Nutr 2018; [Epub ahead of print]
備考:デンマークの同じコホート研究からの報告(Danish Diet, Cancer and Health study)
6) ・57,053人を対象としたデンマークの前向きコホート研究において,赤肉を魚に置換することで,大動脈アテローム性動脈硬化症の発症リスクが低下した.
Venø SK, et al.: Substitution of Fish for Red Meat or Poultry and Risk
of Ischemic Stroke. Nutrients. 2018; 10: 1648.
7) ・55,171人を対象としたデンマークの前向きコホート研究において,赤肉を魚に置換することで,心筋梗塞の発症リスクが低下した.
Würtz AML, et al.: Substitutions of red meat, poultry and fish and risk of myocardial infarction. Br J Nutr. 2016; 115: 1571–1578.
8)* ・11の前向き研究に基づくシステマティックレビューにおいて,アジアでは直線的な魚摂取増加により心筋梗塞リスクが低下した.
Jayedi A. et al. Fish consumption and risk of myocardial infarction: a systematic review and dose-response meta-analysis suggests a regional difference. Nutr Res. 2019;62:1-12.
備考:文献1)と2)を含むシステマティックレビュー
9)* ・日本人を対象とした前向きコホート研究を対象としたナラティブレビューにおいて,魚及び長鎖n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取の多い群で非感染性疾患,特に心血管疾患リスクが低いことが報告されている.
Umesawa M, et al. Intake of fish and long-chain n-3 polyunsaturated fatty acids and risk of diseases in a Japanese population: a narrative review. Eur J Clin Nutr. 2021 ;75:902-920.
備考:文献1)2)3)4)を含むナラティブレビュー
10)* ・ノルウェーの65歳以上の高齢者4,350人を対象とした前向き研究において,週4日以上の魚の摂取により8年後のプレフレイル発症リスクが低下した.さらに,21年間継続して魚を高頻度に摂取することで,長期間のプレフレイル発症リスクを低減した.
Konglevoll DM, et al. Fish intake and pre-frailty in Norwegian older adults - a prospective cohort study: the Tromsø Study 1994-2016. BMC Geriatr. 20235;23:411.
11)* ・12件の前向きコホート研究をまとめたメタ解析において,魚の摂取量が最も多い群において総死亡リスクが低く,非線形的な関連がみられた.
Zhao LG, et al. Fish consumption and all-cause mortality: a meta-analysis of cohort studies. Eur J Clin Nutr. 2016;70:155-61.
参考1)* ・魚を多く摂取する.
・魚を多く摂取することにより,循環器病予防につながる.
・妊婦は魚介類を多く摂ることにより,妊娠高血圧症候群,早産予防につながる.
・妊婦では極端に偏った魚介類の摂取による水銀摂取に一定の注意が必要である.
「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より
国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
項目12. スマートミールの主菜の主材料として,週3日以上,大豆・大豆製品を提供している
要素:大豆・大豆製品
1)* ・40-59歳の男女40,462人を対象とした日本のコホート研究では,大豆の摂取頻度が高いと女性で脳梗塞発症リスクと心筋梗塞のリスクが低いことが報告されている.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
Kokubo Y, et al: Association of dietary intake of soy, beans, and isoflavones with risk of cerebral and myocardial infarctions in Japanese populations: the Japan Public Health Center-based (JPHC) study cohort I. Circulation 2007; 116: 2553-2562.
同コホート研究からの報告(JPHC study)
2)* ・40-69歳の男性926人,女性3,239人を対象とした日本のコホート研究において,みそや納豆などの発酵性大豆製品の摂取量が多いと高血圧発症リスクが低いことが報告されている.
Nozue M, et al.; Fermented Soy Product Intake Is Inversely Associated with the Development of High Blood Pressure: The Japan Public Health Center-Based Prospective Study. J Nutr. 2017; 147:1749-1756.
3)* ・日本を中心とした7件の前向き研究に基づくシステマティックレビューにおいて,大豆摂取と総死亡及び循環器疾患・がんによる死亡との統計学的に有意な関連はみられなかったものの,発酵性大豆製品の摂取量と循環器疾患リスク低下との関連が報告されている.
Namazi N. et al. Soy product consumption and the risk of all-cause, cardiovascular and cancer mortality: a systematic review and meta-analysis of cohort studies. Food Funct. 2018;9:2576-2588.
備考:文献1)を含むシステマティックレビュー
4)* ・92,915人の45-74歳男女を対象とした日本の前向きコホート研究において,発酵性大豆食品,特に納豆の摂取が多いと総死亡リスク及び心血管死亡リスクが低いことが報告されている.
Katagiri R. et al. Association of soy and fermented soy product intake with total and cause specific mortality: prospective cohort study. BMJ. 2020;368:m34.
備考:同コホート研究からの報告(JPHC study)
5) ・40-69歳の韓国人女性4713人を対象とした前向きコホート研究において,閉経前女性において,大豆製品摂取量及び大豆イソフラボン摂取量が多いと循環器疾患リスクが低いことが報告されている.
Im J, Park K. Association between Soy Food and Dietary Soy Isoflavone Intake and the Risk of Cardiovascular Disease in Women: A Prospective Cohort Study in Korea. Nutrients. 2021; 22;13:1407.
6)* ・日本人を含む81の前向き研究に基づくシステマティックレビュー・メタ解析において,大豆の高摂取ががん発症リスク低下と関連し,25g大豆摂取量が増えるごとに4%リスクが低下していた.大豆イソフラボンもがん発症リスク低下との関連がみられたが,大豆たんぱく質は関連がみられなかった.しかしながら,いずれもがん死亡との関連は示されなかった.
Fan Y, et al. Intake of Soy, Soy Isoflavones and Soy Protein and Risk of Cancer Incidence and Mortality. Front Nutr. 2022;9:847421.
備考:文献1)2)4)を含むシステマティックレビュー
参考1) ・大豆製品を多く摂取する.・大豆製品を多く摂ることにより,脂質異常症の改善,循環器病予防につながる.発酵性大豆食品を多く摂取することにより,早死,血圧高値やがんの予防につながる.
・大豆製品を多く摂ることにより,妊娠中の脂質異常症やインスリン抵抗性,うつ症状の改善につながる可能性がある.子どもが大豆製品を多く摂ることにより,成人以降の乳がん予防につながる可能性が示されてる.
・大豆イソフラボンのサプリメント摂取には注意が必要である.
「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より
国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
項目13. スマートミールに,栄養成分表示(エネルギー,たんぱく質,脂質,炭水化物,食塩相当量)を示している
要素:栄養成分表示
1)* ・栄養表示利用行動と健康・栄養状態との関連についての海外文献9件,国内文献9件をまとめた系統的レビューにおいて,健康・栄養状態に問題のある者の方が栄養表示をよく利用していることが報告されている.
西尾素子, 他: 栄養表示利用行動と健康・栄養状態との関連についての系統的レビュー. 日健教誌. 2015; 23: 109-122.
2)* ・20-69歳男女742人を対象とした横断研究において,健康な成人では,食品ラベルのナトリウム表示をみて食品を購入すると回答した女性は,他の女性よりも尿中ナトリウム排泄量が低い傾向にあることが報告されている.
Uechi K, et al: Simple questions in salt intake behavior assessment: comparison with urinary sodium excretion in Japanese adults.Asia Pac J Clin Nutr 2017; 26: 769-780.
3)* ・683人の一般の成人を対象としたアンケート調査結果を用いた横断研究において,食品ラベルのナトリウム量を正しく食塩量に換算できる人は約8人に1人であったことから,食品ラベルへの食塩相当量の表示が必要であると示唆された.
Okuda N, et al.; Understanding of sodium content labeled on food packages by Japanese people. Hypertens Res. 2014; 37: 467-71.
項目14. スマートミールの栄養成分表示に,飽和脂肪酸の量を示している
要素:飽和脂肪酸
1) ・飽和脂肪酸の摂取量は,糖尿病の発症リスクになり,多価不飽和脂肪酸がこれを低減するとしており,動物性脂質(飽和脂肪酸)の相対的な増加が,糖尿病発症リスクになるものと考えられる.「糖尿病診療ガイドライン(2019)」より
Wang L, et al: Plasma fatty acid composition and incidence of diabetes in middle-aged adults: the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) Study. Am J Clin Nutr 2003; 78: 91-98.
2) ・20-69歳男女742人を対象とした横断研究において,健康な成人では,食品ラベルのナトリウム表示をみて食品を購入すると回答した女性は,他の女性よりも尿中ナトリウム排泄量が低い傾向にあることが報告されている.
Hodge AM, et al: Plasma phospholipid and dietary fatty acids as predictors of type 2 diabetes:interpreting the role of linoleic acid. Am J Clin Nutr 2007; 86: 189-197.
3)
Hodge AM, et al: Plasma phospholipid and dietary fatty acids as predictors of type 2 diabetes:interpreting the role of linoleic acid. Am J Clin Nutr 2007; 86: 189-197.
4)
Guasch-Ferré M, et al. Total and subtypes of dietary fat intake and risk of type 2 diabetes mellitus in the Prevención con Dieta Mediterránea (PREDIMED) study. Am J Clin Nutr. 2017;105:723-735.
5) ・15件のRCTをまとめたシステマティックレビュー(コクラン)では,適正な総エネルギー摂取量のもので飽和脂肪酸を減らすこと,または飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸に置換することは血清脂質の改善に有効で,冠動脈疾患発症の予防にも有効であることが報告されている.「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
Hooper L, et al: Reduction in saturated fat intake for cardiovascular disease. Cochrane Database Syst Rev 2015; 10: CD011737.
6)* ・日本人の食事摂取基準(2020年版) 目標量 7%エネルギー―以下.
厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2020年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
7) ・2010年以降の研究を対象にアップデートしたシステマティックレビューによると,飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸,もしくは全粒穀類に置き換えることで,冠動脈疾患発症・死亡リスクが低下することが報告されている.特に,多価不飽和脂肪酸に置き換えた場合に顕著である.
Clifton P.M. et al. A systematic review of the effect of dietary saturated and polyunsaturated fat on heart disease. Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2017;27:1060-1080.
8) ・日本の研究を含む14件の前向きコホート研究をまとめたメタ解析において,飽和脂肪酸の摂取量が多いほど脳卒中リスクが低下し,10g/日摂取量が増加するほどリスクが6%低下することが報告されている.
Kang ZQ, et al. Dietary saturated fat intake and risk of stroke: Systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2020;10:179-189.
参考1)* ・年齢に応じて脂質や乳製品,たんぱく質摂取を工夫する.
・脂質(飽和脂肪酸)を摂りすぎないことは動脈硬化・虚血性心疾患の予防に有効であることが期待される.一方で,飽和脂肪酸の摂取を推奨する介入研究からのエビデンスはないが,飽和脂肪酸が不足すると脳卒中リスクが増加する可能性は否定できない.高齢者では低栄養予防の観点から適度な脂質摂取が好ましい場合がある.
「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より
国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
項目15. スマートミールが1日2種以上ある
要素:商品の品ぞろえ
1)* ・2019年4月~8月,東京都内の病院内コンビニエンスストア1店舗において,複数のナッジを組み合わせた取り組みを実施し,介入前と比べた売り上げの変化を把握した.研究デザインは,前後比較デザインとした. 商品の品揃えとして,「ヘルシーセット」を曜日ごとに内容を変えて販売,飲料コーナーの加糖飲料の販売割合を50%未満に,カップ麺コーナーでは1食4g以下の商品を増やした.その他,商品の配置,情報の提供,価格の配慮(インセンティブ)を実施した.その結果,介入期間中の売上(前年同月比)は,総売上,サラダ類,無糖飲料,弁当類,パスタ類が有意に増加し,加糖飲料,おにぎり,パン類が有意に減少した.カップ麺類の食塩含有量別販売構成比は,介入開始後,含有量の少ない商品割合が有意に増加した.
川畑 輝子, 他. 医療施設内コンビニエンスストアにおけるナッジを活用した食環境整備の試み. フードシステム研究 2021; 27(4): 226-231.
備考:項目No.3の表示及びプロモーションとインセンティブ(項目No.16)にも該当する.
要素:デフォルトオプション
2) ・2020年7月,米国在住の成人377名を3つの異なるシナリオに無作為に割り付け,実験を行った.シナリオは, ファストフードのドライブスルーでコンボミールを注文する設定で,(1)顧客が選択したコンボ(選択コンボ),(2)従来の高カロリーデフォルト商品を含むコンボ(従来のコンボ),(3)低カロリー最適デフォルト商品を含むコンボ(最適コンボ食)のいずれかに割り当てた.その結果,選択コンボ食と比較して,最適コンボ食では顧客が注文するエネルギーが減少した(-337kcal,標準誤差=19,P<0.001)が,従来コンボ食では増加した(+132kcal,標準誤差=20,P<0.001).
Diaz-Beltran M, et al. Fast-food optimal defaults reduce calories ordered, as well as dietary autonomy: A scenario-based experiment. J Acad Nutr Diet 2023; 123(1): 65-76.
項目16. スマートミールを選択するためのインセンティブがある
要素:値引き
1)* ・東京都足立区が同区内26のを1週間実施した.研究デザインは,単群のクロスオーバー試験とした.野菜増量メニューの注文割合は,キャンペーン前の1週間(対照期間)では6.8%,キャンペーン期間中は9.0%であった.気温や天候といった要因の影響を除いても,対照期間に比べてキャンペーン期間中の1日当たりの野菜増量メニューの注文者の割合は1.50倍,1日当たりの飲食店の売り上げは50円引きの負担を差し引いても1.77倍になった.普段の外食時の平均昼食代が最も少ないグループにおいて,キャンペーン期間の野菜増量メニューの注文者割合が増加した.
Nagatomo W., et al. Effectiveness of a low-value financial-incentive program for increasing vegetable-rich restaurant meal selection and reducing socioeconomic inequality: a cluster crossover trial. Int J Behav Nutr Phys Act 2019; 16: 81.
2)* ・2019年4月~8月,東京都内の病院内コンビニエンスストア1店舗において,複数のナッジを組み合わせた取り組みを実施し,介入前と比べた売り上げの変化を把握した.インセンティブとして,「ヘルシーセット」を職員限定価格で販売した.その他,品揃え,商品の配置,情報の提供を実施した.その結果,介入期間中の売上(前年同月比)は,総売上,サラダ類,無糖飲料,弁当類,パスタ類が有意に増加し,加糖飲料,おにぎり,パン類が有意に減少した.カップ麺類の食塩含有量別販売構成比は,介入開始後,含有量の少ない商品割合が有意に増加した.
川畑 輝子, 他. 医療施設内コンビニエンスストアにおけるナッジを活用した食環境整備の試み. フードシステム研究 2021; 27(4): 226-231.
3) ・2014年4月までにPubmedなど複数のデータベースに登録された論文を対象に,様々なタイプの店頭介入(Point-of-Purchase:POS)の効果について検討されたシステマティックレビューによると,最終的に該当した32件中,金銭的インセンティブ単独の介入の効果を検証した論文は4件であった.その結果,適切な金銭的インセンティブが顧客に提供された場合,短期介入ではあるが,より健康的な食品の購入および/または摂取を増加させるのに効果的であることが示唆された.ただし,長期的な介入研究や主要アウトカムに影響を及ぼす可能性のある媒介因子についての研究が不十分であった.
Liberato, S.C., et al. Bailie, R. & Brimblecombe, J. Nutrition interventions at point-of-sale to encourage healthier food purchasing: a systematic review. BMC Public Health 2014; 14: 919.
4)・2020年4月に6つのデータベースを用いたシステマティックレビューを実施した.36件の研究が質的統合に含まれ,30件の研究がメタアナリシスに含まれ,72の店舗内介入の組み合わせに相当した.店舗内介入の効果量に関する分析の結果,価格設定,および価格設定とプロモーションやプロンプティングの組み合わせが,購買行動に効果的に影響を与えたことが示された.介入は,健康的な商品と不健康な商品の両方の売上に有意な影響を与え,果物と野菜,健康的な飲料,健康的な商品の総量の売上を有意に増加させた.しかし,全体的なエビデンスの質が比較的低いこと,介入の種類によっては研究数や観察数が少ないことが課題である.
Slapø H, et al. Efficiency of In-Store Interventions to Impact Customers to Purchase Healthier Food and Beverage Products in Real-Life Grocery Stores: A Systematic Review and Meta-Analysis. Foods. 2021; 10(5): 922.
5) ・本研究は,健康的な食品(果物や野菜を含む)の価格引き下げによる食品の購入および消費への影響を評価することを目的に,システマティックレビューとメタアナリシスを実施した.電子データベース(MEDLINE,EconLit,Embase,Cinahl,Cochrane Library,Web of Science)を用いて2013年1月1日から2021年12月20日までに発表された関連研究を言語の制限なく検索した.また,参考文献のハンドサーチを行った.最終的に,対象となった研究は34件で,そのうち15件は高所得国のスーパーマーケットで実施され,8件は職場の食堂で実施された.また,21件は社会経済的に不利なコミュニティを対象としていた.14件の研究のメタアナリシスによると,価格が20%引き下げられると,果物と野菜の購入量は16.62%増加(95% CI 12.32~20.91)した.ただし,6カ月以上にわたって価格の引き下げを実施した研究はわずかであった.
Huangfu P, et al. Impact of price reductions, subsidies, or financial incentives on healthy food purchases and consumption: a systematic review and meta-analysis. Lancet Planet Health 2024; 8(3): e197 - e212.
システマティックレビュー,メタアナリシス
項目17.メニューに漬物や汁物をつけないことができ.メニュー選択時にわかるように表示している
要素:食塩
1)* ・健康な20-69歳男性196人,女性196人を対象とした横断研究において,総ナトリウム摂取量(不連続4日間の食事記録より)に対し寄与率の高い食品群は,1番目が調味料(男性61.7%,女性62.9%),2番目が魚介類(干物/缶詰含む)(男性6.7%,女性6.6%),3番目は男性で麵類(4.9%),女性でパン類(5.0%)であった.
Asakura K, et al: Sodium sources in the Japanese diet: difference between generations and sexes. Public Health Nutr 2016; 19: 2011-2023.
2)* ・国民健康・栄養調査結果に基づき,食塩摂取源となっている食品のランキングをした結果,カップ麺,インスタントラーメンに次いで,梅干し,漬物がランクインした.
医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部. 日本人はどんな食品から食塩をとっているか?―国民健康・栄養調査での摂取実態の解析から―. (Webページ)
備考:国民健康・栄養調査結果をまとめた食塩摂取源食品ランキング(Webページ)
項目18. ソースやマヨネーズなとの調味料を別添えで提供している
要素:食塩
1)* ・40-59歳の日本人4680名を対象とした横断研究において,総ナトリウム摂取量(不連続4日間の24時間思い出し法より)に対し寄与率の高い食品群は,1番目が調味料(醤油20%,食塩9%,ソース等その他の調味料4%),2番目が味噌汁10%であった.
Anderson CA, et al: Dietary sources of sodium in China, Japan, the United Kingdom, and the United States, women and men aged 40 to 59 years: the INTERMAP study. J Am Diet Assoc 2010; 110: 736-45.
2) ・UK Biobank参加者50万例を対象に食事への食塩追加頻度と早期死亡リスクおよび平均余命の関係を前向きコホート研究において検討した結果,食塩追加頻度の高い者ほど早期死亡リスクが高く,平均余命が短かった.
Ma H, et al. Adding salt to foods and hazard of premature mortality. Eur Heart J. 2022;43:2878-2888.
備考:野菜及び果物の摂取量による層別解析の結果は,項目No.19「野菜」と項目No.21「果物」に記載
項目19. 野菜70g以上のメニューを提供している(サラダバーを含む)
要素:野菜
1)* ・9112人を対象とした前向きコホート研究において,野菜の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性が報告されている.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
Okuda N, et al: Fruit and vegetable intake and mortality from cardiovascular disease in Japan: a 24-year follow-up of the NIPPON DATA80 Study. Eur J Clin Nutr 2015; 69: 482-488.
2)* ・40,349人の男女を対象とした前向きコホート研究において,緑黄色野菜の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性が報告されている.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
Sauvaget C, et al: Vegetable and fruit intake and stroke mortality in the Hiroshima/Nagasaki Life Span Study. Stroke 2003; 34: 2355-2360.
3)* ・食事パターンと心血管疾患死亡リスクとの関連について,40-79歳の一般住民男性26,598人,女性37,439人を対象とした大規模前向きコホート研究における検討を行った結果,3つの主要な食事パターン(野菜型,動物性食品型,乳製品型)が見出され,「野菜型」および「乳製品型」の食事パターンに近いことがそれぞれ心血管疾患死亡リスクの低下と関連していることが報告されている.
Maruyama K, et al: Dietary patterns and risk of cardiovascular deaths among middle-aged Japanese: JACC Study. Nutr Metab Cardiovasc Dis 2013; 23: 519-527.
4)* ・日本の複数のコホート研究より,野菜の高摂取に特徴づけられる食事パターンとがん,循環器疾患,糖尿病リスク低下との関連が報告されている.
農林水産省. 「食育」ってどんないいことがあるの?. P11
備考:システマティックレビューに基づくパンフレット
5)* ・食事バランスガイドに沿った人ほど循環器疾患死亡リスクが低いという関連は,特に副菜の摂取量が多い人で顕著であることが,45-75歳の男性36,624人,女性42,970人を対象とした前向きコホート研究において報告されている.
Kurotani K, et al.: Quality of diet and mortality among Japanese men and women: Japan Public Health Center based prospective study. BMJ 2016; 352: i1209.
備考:食事バランスガイドに沿った食事については,縦断研究に限定
6)* ・成人における野菜摂取と総死亡及び死因別死亡との関連を調べた16件の前向きコホート研究をまとめたシステマティックレビューでは,野菜摂取量の多い人ほど,総死亡及び循環器疾患による死亡リスクが低いことが報告されている.なお,アジアにおける研究に限定すると,明らかな関連は見られなかった.
Wang X, Ouyang Y, Liu J, et al. Fruit and vegetable consumption and mortality from all causes, cardiovascular disease, and cancer: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. BMJ. 2014;349:g4490.
項目No.21の文献3)を含むシステマティックレビュー
8) ・UK Biobank参加者50万例を対象に食事への食塩追加頻度と早期死亡リスクおよび平均余命の関係を検討した結果,食塩追加頻度の高い者ほど早期死亡リスクが高かったが,野菜摂取量の多い群では食塩追加による死亡リスク増加が抑制された.
Ma H, et al. Adding salt to foods and hazard of premature mortality. Eur Heart J. 2022;43:2878-2888.
備考:項目No.18の文献2)の層別解析
10)* ・94,658人の日本人男女を対象とした前向きコホート研究において,野菜摂取量の多い者ほど総死亡のリスクが低いことが報告されている.
Sahashi Y, et al. Inverse Association between Fruit and Vegetable Intake and All-Cause Mortality: Japan Public Health Center-Based Prospective Study. J Nutr. 2022;6:2245-2254.
備考:項目No.21の文献10)と共通
11)* ・50~79歳の日本人42,643人を対象とした前向きコホート研究において,男性では,野菜,特にアブラナ科の野菜,女性では野菜,果物,緑色野菜とネギ類野菜の摂取量が多い者ほど認知症リスクが低いことが報告されている.さらに,ビタミンCの摂取量が多い者ほど認知症リスクが低いことが報告されている.
Kishida R et al. Fruit and Vegetable Intake and Risk of Disabling Dementia: Japan Public Health Center Disabling Dementia Study. J Nutr. 2024;154:1842-1852.
備考:項目No.21の文献11)と共通
7)*(留意点)
食品群別のナトリウム摂取量(不連続4日間の24時間思い出し法より)とナトリウム排泄量(24時間畜尿より)との関連は,漬物野菜及び煮もの野菜において,有意な傾向性の関連が報告されている6) ことから,野菜の調理法には注意が必要.
Okuda N, et al: Food sources of dietary sodium in the Japanese adult population: the international study of macro-/micronutrients and blood pressure (INTERMAP). Eur J Nutr 2017; 56: 1269-1280.
参考1)* ・野菜,果物は適切に,食物繊維は多く摂取する.
・野菜,果物は適切に,食物繊維は多く摂取することにより,がん,循環器病,糖尿病,妊娠高血圧症候群の予防につながる
・成人では,1日に野菜350g,果物200g,食物繊維17〜21gを目標に摂取することが推奨されている.
「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より
国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
備考:項目No.21の参考文献1)と共通
項目20, 牛乳・乳製品を提供している
要素:牛乳・乳製品
1)* ・食事パターンと心血管疾患死亡リスクとの関連について,40-79歳の一般住民男性26,598人,女性37,439人を対象とした大規模前向き研究における検討を行った結果,3つの主要な食事パターン(野菜型,動物性食品型,乳製品型)が見出され,「野菜型」および「乳製品型」の食事パターンに近いことがそれぞれ心血管疾患死亡リスクの低下と関連していることが報告されている.
Maruyama K, et al: Dietary patterns and risk of cardiovascular deaths among middle-aged Japanese: JACC Study. Nutr Metab Cardiovasc Dis 2013; 23: 519-527.
2)* (留意点1)牛乳・乳製品は,「食事バランスガイド」において1日に2SV:牛乳に換算すると約200ml(206g)の摂取が推奨されている.
厚生労働省・農林水産省.フードガイド(仮称)検討会報告書, 平成17年7月.
3)* (留意点2)国民(20歳以上男女総数)の牛乳・乳製品の摂取量は,平均値 110.7g(中央値70.0g)の現状である ため,適切に摂取することが勧められる.
厚生労働省.令和元年国民健康・栄養調査報告
4) ・27件の前向き研究に基づくメタ解析において,食事由来のカルシウムの高摂取が全死亡リスク低下と関連していた.カルシウムの平均摂取量が700mg未満及び700㎎以上の集団に分けた層別解析においても,カルシウムの高摂取が全死亡リスク低下と関連していることが示された.
Pana TA, et al. Calcium intake, calcium supplementation and cardiovascular disease and mortality in the British population: EPIC-norfolk prospective cohort study and meta-analysis. Eur J Epidemiol. 2021;36(7):669-683.
5)* ・日本人の食事摂取基準(2020年版)では,カルシウムの不足回避の観点から,推定平均必要量と推奨量が示されている.〇推定平均必要量
男性:18歳-29歳:650㎎,30歳以上:600㎎
女性:18歳-74歳:550㎎,75歳以上:500㎎
〇推奨量
男性:18歳-29歳:800㎎,30歳以上:750㎎
女性:18歳-74歳:650㎎,75歳以上:600㎎
厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2020年版)
6) ・7つの前向き研究に基づくメタ解析において,乳製品の高摂取が炎症性腸疾患(IBD)の発症リスク低下と関連していた.
Talebi S, et al. The Association between Total Protein, Animal Protein, and Animal Protein Sources with Risk of Inflammatory Bowel Diseases: A Systematic Review and Meta-Analysis of Cohort Studies. Adv Nutr. 2023;14:752-761.
7)* ・43117人の男性及び50,193人の女性を対象とした前向きコホート研究において,男性では乳製品の摂取場が多いほど全死亡と循環器疾患死亡のリスクが低いことが報告されている.一方で女性は明らかな関連は認められなかった.
Ge S, et al. Associations between dairy intake and mortality due to all-cause and cardiovascular disease: the Japan Public Health Center-based prospective study. Eur J Nutr. 2023;62:2087-2104.
8)* ・20~74歳の60,633人の男女を対象とした横断研究で,全乳摂取が1日1回以上の者は不眠症のオッズが低いことが報告されている.男女別の結果では,女性においてのみ,同様の結果が報告されている.
Sato Y et al. The association between milk and dairy products intake and insomnia symptoms among Japanese adults in community-based cohort. Nutr Health. 2024;2601060241283133.
参考1) ・年齢に応じて脂質や乳製品,たんぱく質摂取を工夫する.・乳製品の摂取により,成人や高齢者では循環器病のリスクが低くなる.
・子どもでは,全乳及び乳製品を摂取していると肥満になりにくいと考えられている.
「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より
国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
項目21. 果物を提供している(シロップづけを除く)
要素:果物
1)* ・果物の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性が,9,112人を対象とした前向きコホート研究において報告されており, 糖質含有量の少ない果物を適度に摂取することが勧められる.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
Okuda N, et al: Fruit and vegetable intake and mortality from cardiovascular disease in Japan: a 24-year follow-up of the NIPPON DATA80 Study. Eur J Clin Nutr 2015; 69: 482-488.
2)* ・果物の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性が40,349人を対象とした前向きコホート研究において報告されており, 糖質含有量の少ない果物を適度に摂取することが勧められる.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
Sauvaget C, et al: Vegetable and fruit intake and stroke mortality in the Hiroshima/Nagasaki Life Span Study. Stroke 2003; 34: 2355-2360.
3)*
・果物の摂取は冠動脈疾患および脳卒中リスクを低減させる可能性が,40-79歳の男性25206人,女性34,279人を対象とした前向きコホート研究において報告されており, 糖質含有量の少ない果物を適度に摂取することが勧められる.
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」より
Nagura J, et al: Fruit, vegetable and bean intake and mortality from cardiovascular disease among Japanese men and women: the JACC Study. Br J Nutr 2009; 102: 285-292.
4) ・成人における果物摂取と肥満との関連を調べた11件のRCTをまとめたシステマティックレビューでは,果物摂取と長期的な体重増加抑制との関連性が示されている.
「標準的な健診・保健指導プログラム【平成30年度版】」より
Hebden L, et al: Fruit consumption and adiposity status in adults: A systematic review of current evidence. Crit Rev Food Sci Nutr 2017; 57: 2526-2540.
5)*
・日本の複数のコホート研究より,果物の高摂取に特徴づけられる食事パターンとがん,循環器疾患,糖尿病リスク低下との関連が報告されている.
農林水産省. 「食育」ってどんないいことがあるの?. P11
備考:システマティックレビューに基づくパンフレット
6)* ・成人における果物摂取と総死亡及び死因別死亡との関連を調べた16件の前向きコホート研究をまとめたメタ解析では,果物摂取量の多い人ほど,総死亡及び循環器疾患による死亡リスクが低いことが報告されている.
Wang X, Ouyang Y, Liu J, et al. Fruit and vegetable consumption and mortality from all causes, cardiovascular disease, and cancer: systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. BMJ. 2014;349:g4490.
備考:文献3)を含むシステマティックレビュー
7)* ・世界195ヵ国のデータを用いて,食事関連リスク要因とそれらに起因する世界の推計過剰死亡者数が推計された結果,日本を含む東アジアでは,食塩摂取過剰,次いで,精製度の低い穀類が少ないこと,次いで果物の摂取不足が食事関連リスク要因として挙げられている.(再掲)
GBD 2017 Diet Collaborators. Health effects of dietary risks in 195 countries, 1990-2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet 2019; 393: 1958-73
備考:No.1 「スマートミール(基準に合った食事)を提供している」の「食塩相当量の参考文献1)」日本語解説を参照
8)* ・世界の疾病負荷研究2019(GBD 2019)のデータを用いて,日本における健康リスク因子別の死亡及び障害調整生存年数(DALYs)の寄与割合を推計した結果,喫煙,代謝系,アルコールに次いで,食塩摂取過剰,精製度の低い穀類の低摂取,果物の摂取不足がリスク要因として挙げられている.(再掲)
Nomura S et al. Toward a third term of Health Japan 21 - implications from the rise in non-communicable disease burden and highly preventable risk factors. Lancet Reg Health West Pac. 2022;21:100377.
9) ・UK Biobank参加者50万例を対象に食事への食塩追加頻度と早期死亡リスクおよび平均余命の関係を検討した結果,食塩追加頻度の高い者ほど早期死亡リスクが高かったが,果物摂取量の多い群では食塩追加による死亡リスク増加が抑制された.
Ma H, et al. Adding salt to foods and hazard of premature mortality. Eur Heart J. 2022;43:2878-2888.
備考:項目No.18の文献2)の層別解析
10)* ・94,658人の日本人男女を対象とした前向きコホート研究において,果物摂取量の多い者ほど総死亡,心血管死亡,呼吸器疾患死亡のリスクが低いことが報告されている.
Sahashi Y, et al. Inverse Association between Fruit and Vegetable Intake and All-Cause Mortality: Japan Public Health Center-Based Prospective Study. J Nutr. 2022;6:2245-2254.
備考:項目No.19の文献10)と共通
11)* ・50~79歳の日本人42,643人を対象とした前向きコホート研究において,男性では,野菜,特にアブラナ科の野菜,女性では野菜,果物,緑色野菜とネギ類野菜の摂取量が多い者ほど認知症リスクが低いことが報告されている.さらに,ビタミンCの摂取量が多い者ほど認知症リスクが低いことが報告されている.
Kishida R et al. Fruit and Vegetable Intake and Risk of Disabling Dementia: Japan Public Health Center Disabling Dementia Study. J Nutr. 2024;154:1842-1852.
備考:項目No.19の文献11)と共通
参考1)* ・野菜,果物は適切に,食物繊維は多く摂取する.
・野菜,果物は適切に,食物繊維は多く摂取することにより,がん,循環器病,糖尿病,妊娠高血圧症候群の予防につながる
・成人では,1日に野菜350g,果物200g,食物繊維17〜21gを目標に摂取することが推奨されている.
「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」より
国立高度専門医療研究センター6機関の連携による 「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」
項目22.減塩の調味料を提供している
要素:食塩
1)* ・40-59歳の男性531人,女性518人を対象とした横断研究において,食品群別のナトリウム摂取量(不連続4日間の24時間思い出し法より)とナトリウム排泄量(24時間畜尿より)との関連は,調味料(醤油,味噌)とみそ汁において,有意な傾向性の関連が報告されている.
Okuda N, et al: Food sources of dietary sodium in the Japanese adult population: the international study of macro-/micronutrients and blood pressure (INTERMAP). Eur J Nutr 2017; 56: 1269-1280.
2)* ・35-67歳の日本人男性187人を対象としたRCTにおいて,低ナトリウム高カリウム調味料(Na: 1175mg, K: 1476mg)及び加工食品を用いた弁当とみそ汁(介入食)と通常の食塩(Na: 2243mg, K: 703mg)を用いた弁当・みそ汁(対照食)を6週間提供し,介入食の血圧への影響を検討した結果,介入食では対照食に比べ有意に血圧が低下していた.なお,低ナトリウム高カリウム調味料を用いた食事は,通常の食塩を用いた食事と同等に介入期間中摂取されていたため,減塩調味料の実現可能性が示唆された.
Umeki Y, et al. Feasibility of Low-Sodium, High-Potassium Processed Foods and Their Effect on Blood Pressure in Free-Living Japanese Men: A Randomized, Double-Blind Controlled Trial. Nutrients. 2021;13:3497.
3) ・中国の2万995名を対象としたRCTにおいて,従来の食塩(NaCl 100%)と,代替食塩群(NaCl 75%+KCl 25%)で追跡期間中の脳卒中発症,心血管イベント及び総死亡のリスクを比較した結果,食塩の4分の1をカリウムに代替した代替食塩群においていずれのアウトカムもリスクが低く,両群間の高カリウム発症に有意差は認められなかった.
Neal B, et al. Effect of Salt Substitution on Cardiovascular Events and Death. N Engl J Med. 2021;385:1067-1077.
4) ・中国の48箇所の介護施設居住者611人を対象とした無作為化比較試験において,通常の食塩を使用した料理を提供する群と代替塩を使用した料理を提供する群のそれぞれについて,2年後の高血圧発症率を比較した.その結果,通常塩群に比べ,代替塩群では高血圧発症リスクが40%低かった.一方で,低血圧のリスクに差は認められなかった.代替塩はナトリウム62.5%,カリウム25%,残りの12.5%はきのこやレモン,海藻などを用いた香料で構成されている.
Zhang X et al. Effect of a Salt Substitute on Incidence of Hypertension and Hypotension Among Normotensive Adults. J Am Coll Cardiol. 2024;83:711-722.